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マリモに続き、沢谷くんも僕を気遣い、……ついでに関賀くんへの不満を露にする。しかし関賀くんは堪えた様子もなく、マリモに近寄りその肩に手をかけ、沢谷くんを一瞥しながら言った。



「じゃー譲歩案で、親友くんがその雑魚運べよ。それくらいの体力くれぇ、あんだろ?大体レイちゃんが誰かと保健室ー、なんてエロシチュすぎると思わねーのかよ。ひょっとしたらコイツ、レイちゃんをベッドに誘うチャンスを狙ってんじゃねーの?」
「っ、」



いかにも『疑わしい』と言わんばかりの顔をして、関賀くんは僕に視線を寄越す。その、明らかに僕を蔑んでいる表情に戦慄しつつも僕は泣きたい気持ちになる。……こんな言いがかりは酷すぎる、いくらなんでもこんなダッサいマリモにそんな気起こすわけないだろう!僕は慌てて否定の声を上げようとする、……が、



『……馬鹿馬鹿しい』
『……アホか……』
『……聞くに耐えん、……やはり西の連中は醜悪極まりない!』
『全く、このタチ喰いはまたミョーな事、……でもまさか、マジでこいつ、ウドの事を、……』
『っ、……まさか、こんな純朴そうな子が名倉くんに、……いやまさかそんな、……だがしかし、』



僕が声をあげるより早く、四方八方から声が聞こえ、僕は言葉を発するチャンスを失う。ついみんなの方を向くと、マリモと沢谷くん、門田くんはため息をついていて、石川くんは僕をちょっと睨み付け、守くんは、……



……って、ちょっと待て。最後に聞こえた僕を疑うような声は守くんじゃなかったか?



「……、」



その事実に僕は慌てふためく。……違う、僕はこんなマリモの事なんかどうでもいい!憧れの人に妙な誤解をされた事に戦慄し、僕はついすがるような目で守くんの方を見てしまう。それに気づいたのか、守くんは僕に頷くと関賀くんを睨み付けながら言った。



「関賀、いい加減にしろ。この子は怪我人なんだぞ、言いがかりなんかつけるもんじゃない」
「は、たかがサッカーボールぶつかったくらいで大げさだっつーの。ともかくレイちゃん、そんな雑魚は親友くんかまもりんに押し付けて、オレとベッドインしよーよ!」『つーかこの雑魚、レイちゃんのキレーなうなじを至近距離で見やがって、……オレだったらあの首筋なめ回してキスマークいっぱい付けちゃうしー!それでレイちゃんのまだちっちゃくてカワイイ乳首捏ね回してー、舐めて噛んでつまんで吸ってビンカン乳首に開発しなきゃねー!それで引き締まったカワイイお尻を揉みくり回してー、それで「っ!」』



とんでもない事を言い出し始めた関賀くんにうろたえ、僕は思わず体を強張らせてしまう。しかしそんな関賀くんの言葉に怒ったのか、守くんは関賀くんをマリモから引き剥がしながら叫んだ。


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