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「図々しい事言ってんじゃないよ!あれは余興、遊びなんだよ!それをマトモに受け取って生徒会の皆様にとり入ろうなんて、おこがましいにも程があるだろ!」
「そうだ!親衛隊も持てない平凡のくせに、ふざけてんの、オマエ!」



親衛隊たちは口々に俺に対する非難を口にする。が、それに俺はしっかりあいつらを見据えながら反論した。



「……なってほしくないなら、最初からそんな役職、作らなきゃよかっただろ!俺だってどうせなら、一等賞はコシヒカリ30kgとかの方がよかったよ!」
「な、……栄えある生徒会役員職に対して、なんてことを、」
「……とにかく、ここまで馬鹿にされて辞退なんてしない!何があっても!」



半ば興奮状態で俺は叫ぶ。……俺の悪い癖、……小心者のくせに、理不尽に馬鹿にされたら熱くなる、これが出てきてしまった。ーーこれはかなり壮大な墓穴になりそうだと、わかってはいる。が、やはりこんな扱いをされてヘラヘラ笑っていられるわけがない。俺は決死の覚悟で生徒会の人間たちを睨みつける。それに明らかに怒りをみせ、飯島副会長は俺に口を開こうとしたが、それより早く、芳野宮が手を上げて俺に向かって言った。




「……確かにな。やらせる気もないのに役職を押し付けるのは、愚弄以外の何物でもない、君の言葉にも一理ある。……だが、この一週間で思い知ったんじゃないのか、我が耶麻台高において、生徒会がどういう存在であるか。それを知りながら、君はそれでも生徒会活動をしたいと、――そう言うのか」
「……」



芳野宮は冷静にそう言う。その表情にはバカにしてる感じも、苛立ってる感じもしなかった、……それだけに妙に重く突き刺さり、俺の興奮も少し醒める。そして今日に至るまでのみんなの態度を思い出して一瞬眉をしかめる。……が、



「生徒会が、生徒のための組織だっていうなら、俺にだってできることはあると思う。俺だって、耶麻台高のいち生徒なんだ」
「……」
「運でも、なんでも、……その役職を作って、誰かにやらせる気があったんなら、きっと何か、俺にも意味があるはずなんだ。……俺はやる、……何ができるかはわかんないし、やっぱり役に立たないかもしれないけど、……やる前から諦めるような事だけはしたくないんだ」



つっかえつっかえ、俺はそう言う。……正直、ここまでの事を思ってたわけでは当然、ない。しかし飯島副会長のあからさまな態度、喜志多の小バカにしたような発言はあまりにも俺のなけなしのプライドって奴を傷つけた。このままバカにされて終わるのだけはどうしてもいやだった。その思いで俺が生徒会の連中を睨み付けてると、芳野宮が少しだけ笑いながら言った。



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