D



「あれー、アルパカくん来たのー?まさか来ると思ってなかったから、会議始めちゃったよー」
「っ、来いって言われたら、来るさ」
「あー、へー。で、何の用?まさか、庶務の仕事をしに来たって言わないよね?」



ニコニコと、しかし毒気たっぷりの言葉で喜志多は俺に言う。それにたじろぎながら俺は答えようとするが、それより早く副会長の飯島さんが俺を睨みつけながら言った。



「……まさか、あんな遊びを本気にしたのか?そもそも役員は選挙で決まるものだ。補佐は決定権は生徒会にあるが、それだとて喜志多のような実績がある人間以外認められる事はない。それくらいわかるだろうが」
「……、」
「全く、……これだから外部は。見るからに品もない、能力もないとわかる面構えの貴様ごときに生徒会の一員としての責務が全うできるとは思えん。何の取り柄もない人間が、この栄えある耶麻台高の生徒会室にいることすら許しがたいが、……まあ、その強運に免じて今日一日くらいは、この生徒会室に立ち入る事は許してやる。だが明日からは、二度とこの部屋に足を踏み入れるな、空気が汚れる」



まるで俺をゴミを見るみたいな蔑んだ目をして、飯島副会長はこっちをひと睨みするとさっさとここから立ち去ろうとする。それにまるで同調するかのように、後ろに控えていた生徒会親衛隊も勝ち誇った顔をして俺を見下げたような顔をした。それに俺は思わずカチンとくる。



……なんだよ、それ。確かに俺は、見た目もよくないし、ここにいる連中みたいにいい家の子供ってわけでもない。だからって、ここまで馬鹿にされるなんてありえないだろう!



あまりの理不尽に、俺は思わず震えた。勝手に選んで勝手に辞めさせて、人をなんだと思ってるんだ。大体、生徒会って生徒のための組織だとか新歓の時には言ってたくせに、その選民意識丸出しなのはなんなんだ?正直、さっきまでは本気で辞退する気だった。だが、ここまで馬鹿にされて「はいやめます」なんて言えるか。燃え上がった怒りのまま、俺は立ち去ろうとする飯島副会長に言った。



「……いえ、俺は辞めません。選ばれたからには庶務として、責務を全うしたいと思います」
「……なんだと?」



俺がそう言うと、飯島副会長は憎々しげに振り返り、傍らにいた喜志多は意外そうに目を丸くし、芳野宮は腕を組んで表情も変えずに俺を見る。3人の超美形たちの視線を浴び思わず臆しそうになるが、俺は負けじと睨み返す。すると飯島副会長の後ろにいた親衛隊たちが俺を厳しい視線で睨みつけながら叫んだ。



[ 40/82 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[topにもどる ]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -