龍クエスト
(こんにちはタイガー&ドラゴンです)
俺は大河龍15歳、龍と書いて「とーる」。

黒髪に澄んだエメラルドの瞳を持つ父はアジア金融市場の総取締で、染めてないのに焦げ茶色の髪と瞳を持つ母は、パートで実家のラーメンデザイナーをやっている。

皆からは誤解され易いけど、父はああ見えて一途だし優しいし(母には)、未だにクリスマスにはサンタになってくれる様な人なんだ。

まぁ、母さんの所にしか行かないんだけどね。





俺は大河龍15歳、龍と書いて中略。
俺はとても人見知りで口下手だから友達は居ないし、父親似で不機嫌顔だからか靴箱に何通も脅迫状が届く。
双子の弟で人気者の枝と比べたら情けなくて、とても恥ずかしく思ってる。

でもそんな胸の内を明かせるのは父さんだけだ。
母さんは心配性だから。

(ただ父が話を聞いてるか否かは別問題)




俺は大河龍、以下略。
挨拶が面倒なんじゃなくて文字数が中略、実は両親喧嘩中なう。
どうせすぐに仲直りするんだけど、


「もう頭に来たっ」

今日の母さんはいつもよりお怒りで、流石の枝も元々大きめな目を見開いていた。

「これが目に入るっ?」

と、母さんは印籠ならぬ印鑑を突き付け、

「そ、それは噂の三下り判…!」

それを見るなり迷わず土下座した父さんが、俺は大好きだ。




お使いから帰ると、母がお世話になってるママ友さんが遊びに来ていた。
勿論俺の人見知りスキルはしっかり発動していたのに、その人とはすぐに打ち解けられて嬉しかったな。

「やっと帰りやがったか…!」
「こ…恐!何なのあの人?!」

(山田さんと入れ替わりに押し入れから出て来た父と弟)



俺は大河龍。
幼い頃から俺達は両親が卒業した学園に通ってる。
枝はAクラスの一番で、俺はクラスの最後の方。枝は要領が良いから羨ましいな。

友達の居ない俺だけど、図書館に行けば人見知りせず会話してる。
これは双子の枝も知らない事だ。


「遅かったね、龍君」

挨拶でキスしたがる紅い眼の、綺麗で不思議な人。





図書館だけの友達?は、名前以外謎だ。
Aクラスではないのは間違いないけど、昔から枝以外と会話する事がなくて、こんな格好良い『ひぃ君』さえ俺は知らない。

学年も、名字も。


「今日は何を読むの?」 

何でこんな俺に触りたがるのか判らなくて恐いけど、ゆったり喋るひぃ君は、とても優しい。今まで出会った、誰よりも。



--------------
つ支部ログ加筆修正



 バイオトープ 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -