笠松幸男
最近 車内での痴漢や構内での盗撮などが相次いでいた。
「おい、何やってるんだ」
エスカレーターで不審な動きをしている男がいた。
首根っこを掴むとカメラが起動されたままのスマートフォンを片手に
抵抗せず 大人しく指示に従った。
『私、気付かなくて…ありがとうございます』
深々と頭を下げた彼女は当駅からすぐの高校の制服を着ていた。
スカートは短めでなく
むしろ長いほうだと思うが 容姿や雰囲気から魅了されるものがあったのだろう。
「他に何か気付いたことがあったら言ってください」
幸いにも 目撃していた警察官もおり
余罪も含めて調査が進められた。
その日をきっかけに 女性が苦手な自分だが
少しずつ挨拶や言葉を交わすようになった。
『笠松さん!大学合格しました!』
笑顔で報告してくれた遥ちゃんに交際を申し込むまであと少し。
END next→笠松先輩(管制官Ver.)
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