緑間真太郎
「緑間先生、遥さんの手術日についてですが…」
看護師との話を終え、遥の様子を見に行く。
コンコン。
ノックをするとすぐ返事が返ってきた。
『先生、今日は気分が良いの』
にこにこと笑う遥は
年上に思えないくらい可愛らしい。
「手術日が決まったのだよ」
そっと遥の手を握り、日程を告げる。
『分かった。
緑間先生なら大丈夫だもんね』
遥の病気は手術すれば治る。
自分が医師になってから見てきた患者であり、いつしか彼女に好意を抱いていた。
「当たり前なのだよ」
と、胸元のポケットに入った
今日のラッキーアイテム
【ピンクのペン】を触る。
「遥、手術が終わったら…一緒に出掛けるのだよ」
一瞬驚いたような遥の髪を撫で、病室を出た。
[*prev] [next#] ページジャンプ