「火神くん、お久しぶりです」
仕事を終え、待ち合わせ場所のマジバに向かった。
「おぉ!?ビックリさせんなよ」
時々こうして会ってはいるが
相変わらず驚かれる。
「あの作家とはどうなんだよ?」
いきなり訊かれ、驚きつつも
シェイクから顔を上げる。
「順調、と言って良いのでしょうか…」
彼女と出会って1年が経つ。
仕事終わりに会っては
本のことをよく話す。
付き合ってるのかと問われると
何と答えたらいいのか分からない。
「そういう 火神くんはどうなんですか?」
と、訊き返す。
とたんに顔が赤くなる。
「も、もうすぐ…一緒に住む、と思う」
今も半同棲状態だが、偶然再会した彼女と実は両想いだったことが分かったのだ。
ふと、窓に目をやると黄色い頭がこちらを見ている。
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