紫原敦
「いらっしゃいませ」
小柄な女性が入って来たのがガラス越しで分かる。
クリームを一舐めして
ケーキ作りを続ける。
『どれも美味しそうですね』
レジ担当の店員と話しながら
ふにゃ、と笑う。
「少々お待ちください」
ちょっとしてレジ担当の店員がこちらに来た。
「ん?なぁに?」
「ぜひ、パテシィエにお会いしたいと」
可愛らしいお客様ですよ。と付け足され、手を休めた。
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