に
とりあえず、なんにせよ。
紫原のアイスを買うにしても黒子自身のお昼ごはんを買うにしても、まずは赤司の許可がいる。
当の本人はというと、少し離れたところで緑間と昼ご飯を兼ねたミーティングというか、部活内容の微調整をやっていた。
少しは休めばいいのに・・・、
黒子が思う事は当然至極のことだ。
3年が引退し、2年中心となった帝光男子バスケ部の重圧やら責任やら・・・まぁ主に雑用やらは、全て部長兼主将の赤司へといっていた。
周りを頼ることの少ない彼は、あまりじっとしているところを見たことがない。
あまり休息を取らない赤司について、全中2連覇を達成し、キセキの世代と呼ばれるほどになってきた仲間内で、実はいつ赤司がぶっ倒れるのかと冷や冷やしているのは・・・まあ彼には内緒の話しである。
話がそれてしまったが、とりあえず、そのように休憩の少ない赤司にそれこそお弁当を忘れたからコンビニまで行く、という許可をもらうちょっとした手間をとらせるのが幅かられるということだ。
しかし背に腹はかえられない。
「あの、赤司くん、」
「テツヤか、どうかしたか?」
「いえ、あの、今日お弁当を忘れてしまって・・・さすがに売店は空いてませんし・・・、それで、コンビニまで行ってきてもいいですか?」
「ああ、構わないよ。休憩時間内に済ませられそう?」
なんだったら、黄瀬か青峰・・・いや、黄瀬と青峰を外周ついでに走らせるかい?
と、なんとも爽やかな顔で告げれた。
「「なんでだよ/ッスか?!」」
黒子についてきた青峰と、少し離れたところで黄瀬が悲鳴をあげる。それを聞いていた紫原は峰ちん黄瀬ちんふぁいとー、とまいう棒をさくさく齧りながらいった。
「赤司・・・」
「緑間も何か頼む?」
隣にいた緑間は赤司を諌めるが、笑顔でスルーされてしまった。
「赤司くん、ボクがお弁当を忘れてしまったので頑張って行ってきます。」
「そう?午後錬もあるからあまり無茶しないようにね、」
「はい。」
赤司は黒子にだいぶ甘い。
外周に行かされそうになった青峰と黄瀬はげっそりとしながらそう思った。
「とりあえずテツ、早く行こーぜ。お前が食う時間もなくなるぞ?」
「そうですね。では、行ってきます」
「いってらっしゃい」
「いってらっス!」
「はやめに帰ってくるのだよ。」
「きをつけてねー」
過保護か!
その場にいた一軍と青峰がツッコミを入れそうになったとき、桃色がテツヤに向かって突進してきた。
「テツくーん、お客様だよー!て、大ちゃん、どっかいくの?」
入ってきたのは一軍マネージャーの桃井さつきだった。その勢いに押し倒された黒子に、もはや同情の余地はない。またか、とその他一軍は興味をなくし、各々の休憩に戻る。一方桃井は幼なじみの青峰が何処かに行くのだと勘づく。
「おう、テツが弁当忘れたっつーからコンビニまでな」
「ふーん?じゃああたしミルクティーね!」
しっかりと自分の要望をしっかりと伝えることは忘れずに、いってらっしゃい!と笑顔でいった。
「あの桃井さん、ボクにお客様というのは?」
「俺だよてっちゃん」
黒子が桃井にきくと、扉の所から体育館に入らずに背の高い・・・、といってもこのバスケ部からしてみればそう高くもない男がひょっこりと顔をだした。
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