「うし、じゃあ練習始めんぞ!」
パンパン!
と大地さんの合図でよろしくお願いシァース!!!と武ちゃんと繋心に一礼。
「じゃあ白瀧、これから今日の流れとして、ストレッチやってフライングで体育館3週して5分休憩、今日はひたすらレシーブ練して最後1試合したら終わりな」
大地さんの言葉はーい、と返す。
水分補給はこまめにするようにと言われ俺のスクイズボトルあんの?とか思ってたら、武ちゃんから前もって聞いていたので準備しているらしい。
さーすが
「あー、でだ。ストレッチは2人一組でやってるんだが、白瀧1人になるんだ」
日向と影山のペアに入れてもらうか?
と言われバレー部員をみる。
そうか、俺が入ると奇数になるのかー
「あ、じゃあ繋心……コーチに頼みまーす」
武ちゃんは職員室に戻りこちらを見ていた繋心にニッコリ微笑むとうげっ!て顔された。
「烏養コーチ、俺余ったんでコーチと組んでいっスかー?」
「……ウッス」
どうせ繋心も動くんだからストレッチした方がいいしねー、なんていう言葉を含ませていえばそう返された。
「つーわけで大地さん、俺なら大丈夫ッスー」
「の、ようだな」
それを見ていたスガさんは白瀧wwって笑ってた。
まず膝を立てて、体育座りのように座って膝を開いてく。つま先を両手で持って、呼吸を吐きながらゆっくり体を前に倒す。
この時に勢いをつけないようにする。
無理はせず、気持ちが良いと感じるところまでで息を吸いながら、ゆっくりと体を起こす。これを数回繰り返す。
ゴン、と音がする方を見ると、繋心が前のめりになって尻が浮いていた。
「繋心……」
「いや、つい。勢いつけすぎた!」
なんて言ってるが、絶対今の普通にいったろ。嘘だぁ、コイツマジか……って繋心を見てしまった。がんばれ。
次は前屈。片足を体の真正面に伸ばし、逆の足は「あぐら」をかいた状態で背筋を伸ばして、お腹を膝につけるイメージでゆっくりと体を前に倒していく。息を吐きながら、ゆっくりと無理をせず、勢いをつけず、リラックスをして前に倒していく。ゆっくりと息を吐ききったら、今度は体を起こし、んで、もう反対も同じように。
俺は上半身と脚がペッタリとつく。
付かない人はペアに押してもらっているが、果たして俺はペアを組んだ意味があるのか。
「う、ぐっ……ーーーっ、」
いやあった。
またお前か繋心。
右の前屈を終わらせ、全く屈してない繋心の背中を押してやる。
「繋心、俺お前の事コーチって呼ぶの止めようかな……」
「いっ!たたたたた!おっ、おい!大和!痛ェって!」
ちょっとイラッとして少し力を入れて押してやる。あまりの硬さにびっくりですよー。
んで次。
床に座って楽に開ける「幅」で足を開く。
わき腹を膝につけるように、体を倒す。
ゆっくりと楽な体勢で、呼吸をしながらやるほうが体は柔らかくなるし。
繋心のコレは邪魔しないでおこう。
反対側もぐっぐっとわき腹を膝に付けるように動かす。
ある程度解したら、そのまま息を吐きながら、ゆっくりと体を前に倒していく。頭ではなく、お腹を床につけるイメージで手のひらを床につける。
「おー、お前柔けぇな」
「まあねー。これでも運動部だったしねー」
「シロすげぇ!ペッタンコだ!」
翔陽の声にみんなこっちを見て180°の開脚で上半身も床にくっついている俺を見て若干引いてた。
「大和、キミ身体柔すぎ。軟体動物みたい」
「いやいやー、運動部なんだからここまでペッタンコは無理でもこれくらい出来るだろー?」
と、上半身を少し浮かせる。
「いや、出来ないよ」
「無理」
「俺も」
月島の軟体動物発言もどうかと思うけど、みんなの、特に1年の否定は早かった。えー。そして他の人もすげぇ、キメェとざわざわしてた。
これに触発されたのか、西谷さんと旭さんのペアは旭さんの背中を西谷さんがぐっ、ぐっ、っと押している。
「大和も出来てるんスから旭さんも頑張れー!」
って言ってる。翔陽は影山に押されてぎゃあぎゃあとうるさかったけど。楽しそうだなぁ笑
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