「大和、ちょっくら座学の復習だ
今から言うことを骨身に刷り込ませろ」

「はいっス」

脇に置いておいたキャンパスノートとシャーペンを見る。コレは青城や白鳥沢のデータが載ったやつではない。

「ジャンプサーブとはなんだ」

「最も取りにくく破壊力があるサーブ。見た感じの打ち方だとボールを高く上げてスパイクを打つようにジャンプして打つ。」

一問一答のスタイルなのだろうか。

「ジャンプサーブの打ち方なんて慣れるしかねぇ。自分の打ちやすい高さとタイミングは中々合わねぇ。だからひたすら反復練習すんだ」

そして打っても入るとは限らない

「ジャンプサーブっつーからにはサーブを打つだけの筋力や跳躍力が必要だが……これは問題ないな」

「そっすね。俺はパワーが無い分より高い打点から打ち下ろす様に打てるのが利点ですね。」

こういう時バスケ部で良かったって思う
今まで培ったものが役立つ時は感無量的な

及川徹にしたって牛島若利にしたってメリットデメリットは確実にあるのだ。そこを上手いこと突けるかが鍵になる。

サーブで1点取って、サーブミスで1点
なんて話になんねぇし。

じいちゃんもじゃあ、といって俺に問いかけた。

「ジャンプサーブは何種類あるでしょーか!」

「2種類。ドライブ(回転有り)と無回転」

「せーかい!」

ドライブ系
回転を掛けて打つジャンプサーブ
威力のあるサーブでドライブをしっかり。

ジャンプサーブっていえば主に回転のかかったドライブ系。


無回転系
無回転で打つジャンプサーブ
無回転で打つ事でボールの軌道が変化するのが特徴。

つまりフローターサーブ。
軽く打っているサーブでも、ボールがちゃんと無回転になっていてジャンプした分だけボールを打つ場所が変わったりする。

「サーブを打つまで約8秒。その間にじいちゃんは何を打とうか、何処に打とうか考えれる訳だ。」

ヘラヘラとしたじいちゃんはいない。
ぞわりとした恐怖が背筋を這う。
さすが……

「じいちゃんはピンサー?」

「いや?スパイカーだった。」

喰えないジジイ共だこと。

「んじゃとりあえずやってみる」

及川徹のやつやってみるから見て何かアドバイスよろしく、と言って少し離れたエンドラインまで行く。

「……はぁあああ、すぅ、」

息を吸う前に肺に入っている空気を出し切りゆっくりと肺を満たすように大きく吸う。

ボールを見つめながら両手でシュルと回転させる。及川徹がどの様な思いでやっているかはわからないが、俺は相手コートに落ちるように祈りボールを額に近づけそして離す。

ピッとサーブの許可のホイッスル。
ボールを見つめながら少し山成に投げスパイクの助走で両脚の脹脛と太腿に力を込めてジャンプ。背筋でぐっと反って溜めて腹筋で戻す時にそれをバネにして更に腕の力も2乗3乗になる様に弾き出す。

ドガンッ!!



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