流石に昨日は夜も遅くなるってんで帰りました。暗くなって危ないから帰れとかじいちゃん180cm越えの男過保護にしてどうすんの。

さて、今日も今日とて放課後ジロちゃんと翔陽を鮮やかに(笑躱して病院にやって参りましたいぇーい。

もちろん動きやすさ重視でジャージ。
しかし烏野のではない。断じて。
トレーナーはまあ白だからいいとして、あの臙脂色というのかなんというかの色が無理。授業中で勘弁してください。という事で市販の黒地に白のラインの至ってフツーのやつ。

昨日は病院出た後シューズ買いに行きました(報告)。俺ミドルかハイのバッシュしか持ってなかったのでローカットシューズなんて小学校の体育以来です!色々あってデザイン重視か性能重視かって言われたら両方っス。丁度バッシュと同じデザイナーさんのローカットで性能もいいのあったんで俺的にほくほくです。

で、in室内競技場。

「一繋さんよろしくお願いしァっす!」

「おう、来たな」

競技場には既に2.43mのポールとネットがあり、その周りを9m×18mのコートがテープで描かれていた。

「一繋さん、これって…」

「即席コートだ。信にも手伝わせたが、今先生に呼ばれてるからな、後で礼を言っとけよ」

「あ、はい。一繋さんも、準備してくれてあざっす」

なんでもリハビリ患者用の室内競技場なのだとか。バレーはもちろん、バスケも、卓球もドッヂボールも出来て飽きずにみんなで楽しくリハビリに励める、とは病院のHPに書かれていた。

……て、いや、そうじゃない。
てか今更だが病院でこんな事してていいのだろうか。ときくと、暇してんだからいいんだよ!何かあればここは病院だしな!と豪快に笑う一繋さんがいた。


マジかこの人。
頼んどいてあれだけどマジかこの人!


考えても仕方ない。
とりあえずアップをとる。
柔軟に温めた筋肉は、俺の値がそのまま出るからアップは入念にするに越したことはない。いつ飛んで走って当たってもいいように。

「さて、お前は話している感じだと知識としてのバレーはよくよく詰め込まれてる。素人にしちゃ十二分にだ。ただ、実戦はそうじゃない」


コートに居て、このネットの高さと幅と奥行きを身体に染み込ませろと言う。

「ほれ、スパイクレシーブしてみろ」

と一繋さんが相手コートから軽くスパイクをした。

対角に打つのかと思ったらストレートコース。自コートの9m×9mコートは意外と広い。まあ、俺1人ってのもあるけど。コートの端ギリギリでオーバーハンドで取るには低過ぎるのでアンダーハンドで取る、が、腕に当たって変な方向へ跳ね返る。

おお、これがレシーブがうまくいかないってやつかと関心する。久しぶりにスポーツを1からやってるので変な感じだ。スパイクレシーブを2回、3回とやるが同じ。

「ボールをよく見ろ!点で取るな!腕の面でしっかり取れ!」

「ウッス!」

腕の面……、昨日見た動画の白鳥沢や青葉城西、烏野の西谷さんのレシーブを思い返す。

腕と太腿を平行にしてボールを迎え入れるように、しっかり腰を落としてそして全身で送り出すような、感じ……

「あ、」

「お?」

と言ってたら出来た。
すげぇ……。綺麗に自コートの一繋さんが居る位置に返った。

「ふん、……信から聞いてるがお前は見たものを模写する様に自分の物に出来るんだろう?実戦で見ないとダメなのか?」

「あ、いいえ。でもそれはバスケだけでバレーでやった事はないです」

「じゃあ明日観てからやってみろ」

「へっ?」


あの後ひたすらレシーブ練習。
イイ感じに拾えたので一繋さんに火をつけたらしい。マジどんな人なのこの人ww

じいちゃんも診察を終えてばあちゃんと一緒に室内競技場に来た。休憩で水分補給を怠らずにすると、今度はじいちゃんと一繋さんが2人して少し広めの台を持ってきてガチのスパイクレシーブ。じいちゃんスパイク打てたんかいって膝が焦げる!

「つーか、じいちゃんバレーできたんだね」

暗に知らなかった、と言えばおうよ!学生時代やってた!とドヤ顔付きでかえってきた。マジかww

「そういえば大和、サポーターはどうした」

「サポーター?ああ、そうか、バレーって膝とか肘つくからそれ用のがあんのかー」

そうか、それがあったな
そう言うと、じいちゃんと一繋さんにお前なぁ、と少し呆れたように言われたが、言い訳をするならこちとらサポーターなんて概念はないのだ。

いや、暴言だが。

バスケ選手でもサポーターする人はするが、俺自身もそうだし周りにサポーターをする人間が居なかったのもある。する必要がなかったからと言ってもいい。

「そうだと思ってホラ。開けてみろ」

「なんスか?これ」

貰った袋を開けると肘用のサポーターがパッド付きとそうでないのが1組ずつと膝用のロングサポーターが1組。

「じいちゃん……一繋さん……これ、」

「信と俺からの祝いだ」

「大和は元バスケ選手だからスピードはあるだろうし、付け慣れてないパッド付きのヤツだと違和感感じるだろうって事でじいちゃんが選んでやったぞ!」

感謝しろよ?と悪戯っ子のようににかっ!と笑って不器用に頭を撫でられ髪がぐしゃぐしゃになるが、それ以上に俺のことを考えてくれたという気持ちに胸が熱くなる。

「……うん、ありがとう、ございます…」

ああ、くそ、絶対俺顔赤いわ
恥ずかしいわけでもないけど。
嬉しすぎて顔赤くするとかやっぱり照れる

そんな様子にばあちゃんは目を細めて笑ってた。



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