「と、言うわけで。
ばあちゃん、俺バレー部入ってもいいかな」

体育館から帰ってきた俺がまずやる事はただ一つ。ばあちゃんから入部の許可を貰うことだ。

ばあちゃんが作ってくれた煮付けは甘辛くご飯によく合って美味かった。食べ終えた食器を片付けて食後のお茶を淹れる。

ばあちゃん用の湯のみと俺のマグ。
ほかほかと湯気をたてている。


元々じいちゃんがぶっ倒れて、ばあちゃん1人で心配だからってわざわざ宮城に来たのだ。バレー部だけではなく、部活に入ると夜が遅くなったりするので入らなかったが……

それでも武ちゃんや翔陽たちのバレーを見て、バスケに未練はあるけれど、それでもやりたいとプレイしてみたいと思った。

出来るかじゃない、やりたいんだ。

「……大和、貴方がバスケットボールを辞めるって聞いておばあちゃんちょっとガッカリしたの。……だってバスケットボールやスポーツをしてる時のキラキラして楽しそうな貴方を観れなくなっちゃうんだ…、って思うと寂しかったわ」

「ばあちゃん……」

「でも、貴方がまたバレーを、スポーツをしてくれるって言ってくれて良かった。おばあちゃんにはバスケットボールもバレーボールもよく解らないけど、大和にとってキラキラとした物に代わりないのでしょう?」

向かいあって座ったばあちゃんの目にぐっと引き込まれる。うん、と目を離さずに頷く。

「大丈夫。しっかりやんなさい」

「はいっ!」

目尻を下げてれば微笑むばあちゃんに敵わないなぁとほっと息をつく。じいちゃんは大丈夫なのかと聞くと、なんと俺と一緒に暮らしたいらしく。ばあちゃんの自慢話に奮起してだいぶ回復してあと数ヶ月もない位に退院出来るらしい。

じいちゃんェ……

「ああそういえば、ばあちゃん、じいちゃんの相部屋の一繋さんってさ、前にちょっと聴いたけどバレーやってたんだよな」

「烏養さん?ええ、4〜5年前かしら、大和ちゃんの烏野高校で教えてらしてねぇ。凄かったわよー」

やっぱりか。

やはりあのじいさんが烏養元監督か。
眉毛の感じとか繋心そっくりだったもんなぁ

「烏養さんに習うの?」

「うん。前に家で子どもにバレー教えてるって言ってて、烏野の監督もしてたんなら初心者の教え方も上手いだろうと思ってね」

「まあ、それはいいわね!」

じいちゃんの見舞いに行った時の世間話だがな。

「入院されてるから教えてくれるかわかんないけど。ダメもとで明日の放課後病院行ってくる」

「おじいさんと一緒で退屈されてるから2人で嬉々として教えてもらえるわよ」

なんてクスクスと笑うばあちゃんにそうだといいなぁ、と俺も笑っていう。

じいちゃんも俺大好きだから一繋さんに妬くだろうってばあちゃん見越してるんだろうなぁ。

「じゃあばあちゃん、俺部屋行くな」

「あら、もうそんな時間?お風呂は?」

2人して壁の時計をみる。
20時半過ぎ。

「ばあちゃん先入っていーよ。
俺明日教えてもらうのに基礎も知らないとか話になんないだろうから、バレーのルールとかそういうの調べるから」

「わかったわ。あんまり夜更かししちゃダメよ」

「……気ぃつける」

マグを持って2階へあがる。
さて、これからGWまで時間ねぇなあと思いながら部屋へ入りパソコンの電源を入れる。

ネットでググれば何でも出てくるのでつくずく感服する。

いや、機械に感服したってしゃーないけど。

パソコンにノートとシャーペンとマグ。
ヘッドホンをパソコンを繋ぐ。
音楽何にしようかなー。

東京にいた頃のように準備して検索スペースにバレー ルールと入力。
さて、白瀧大和いざ参らん!

なんつって。
RINEの通知うぜぇ



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