チームメイトのカバー!という掛け声に泣きボクロくん……えーと、菅原くんはオーライ!と声を出した。

声を出したはいいが、アレは悩んでるなー
もう1回旭さんにいって止められたら、なんて考えてる顔してる。安全牌で内沢さんに行く?
嶋田さん後ろから打てるの?でも、旭さんがエースならと。

「菅原さん!もう1回!」

どうするんだろうと見ているとバレー部コートから影山くんが叫ぶ。

「決まるまで!!!」

それは時に厳しい選択だ。
やすやすとそれを言える影山くんは俺の中でバレーバカに認定された瞬間だった。

同じチームの金髪メガネくんもドSだねー王様と言っている。王様??

苦しい時やチームが乱れた時ラストのボールを託されるのがエース。

まあ、俺らは苦しい時なんか力強くで捻じ伏せたし乱れなかった時なんかない。常に乱れっぱなし。だからバラけたんだけど。

西谷くんや菅原さんの言葉に感化されないかなーと期待半分。

菅原さんは周りを伺い、チラリと嶋田さんを見る。あ、後ろから?バックアタック?であってるのかなー?をさせる気らしい。
うーん、エースダメだったかなぁと旭さんを見る。

「スガァーーーーーーッ!!!!!!」

体育館に響く声。

「もう1本!!!」

ふわりとあがる菅原さんのトス。
なんとなくアタッカーとセッターって野球のキャッチャーとピッチャー見たいだと思った。

いや、俺バスケしかしたことないけど。
キャッチャーを女房役とかいうじゃん?
そんな感じ。信頼しきってるっていうのかな
バスケはそういうのないからいいなーと思う。

キュキュッとシューズが床に擦れる音。
旭さんにまた坊主頭と金髪メガネと影山くんがつく。

ガガガンッ!!!!!!

と影山くんと金髪メガネの手に当たりバレー部コートに力強く叩きつける。

「ははっ!やっぱ打ち切ってこそのエースだろ!」

町内会チームの2人もバレー部コートの部員もそれを見開いて脳裏に焼き付けた。

「いやぁーすごいっ!ボールがブロックに当たった!って認識した時には西谷くんはもうボールの下にっ!いやぁーたまげますねーっ!」

と頬を赤らめて興奮した様に話す武ちゃんかわいい。信じられようか、これでコイツアラサーなんだぜ……繋心より年上なんだぜ……!
こっわ……

「ブロックされたボールが拾えるなら恐いモノ無しですねっ」

とキラキラした顔でいうけど

「何言ってんだ。あんなもん毎回拾えるワケねぇだろ。拾うつもりではいてもな」

と、繋心。武ちゃんはえって顔してるけど

「だって武ちゃんスパイクなんてあれ100km/h〜150km/hはあるよ。そんなスピードのボールがスパイカー次第で何処に打ち出すか分かんない上にー、さらにブロッカーの手に当たって落ちたとしても、2、3mの至近距離から予測不能の場所に落ちるんだよー?」

フェイントとかするんならともかくよく拾えるよねーあはは!と言うと2人にびっくりされた。なぜだ。

「ゴホン、あー、なんだ。ただ、ブロックされたらそこでお終い≠チて訳じゃないとわかってる事が大事なんだ。」

ふむ、と武ちゃんが相槌をうっているがわかってない事がわかった笑

「後にちゃんと仲間が居るのだとわかってるかどうか≠ナ気持ちは全然違うモンさ」

「……ナルホド」

失敗しても仲間が拾って繋いでくれる俺だけじゃないって大事よねー。
なんとなく要点を掴めた武ちゃんがしかし全部はわからなかった事に片言で繋心に返す。くそかわ。29歳恐るべし……。





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