「んじゃ俺帰るなー」
よく連むジロちゃん、久瀬、古賀ちゃん、田川の中で俺だけ部活に入ってないのでさっさと帰る準備を整える。
「えー、シロ帰んの?今日バスケ部来ないの?」
ジロちゃんに無理矢理連れてかれたりじじぃの所にばあちゃん行ってる時なんかはバスケ部にお邪魔したりするが。
「今日ばあちゃん1人だし、帰るわ」
そう言うと気ぃつけろよーという声で送られる。
「たーんだいまー、ばーちゃーん?」
ガチャんと玄関を開けて家の中のどっかにいるばあちゃんに声を掛ける。すると台所からひょっこりと顔を出しておかえり、と言われる。
「おー、今日なに?煮付け?」
「そうなの。けどお砂糖が足りなくて……
大和ちゃん、帰ってきてすぐで申し訳ないけれど嶋田さんところで買ってきてくれない?」
「いーよー。ロードワークがてら行ってくる
ザラメ?煮砂糖?」
「煮砂糖をお願い。はいコレ。お釣りはお小遣いね」
ばあちゃんのは財布から千円を取り出す。
お小遣いは上手いことやり繰りしてるので足りないという事はないが、貰えるものは有り難くもらう主義である。
2階の自分の部屋にいきバックをおろし学ランから動きやすいジャージに着替えてスマホとイヤフォンを手に下に降りる。
「あ、ばあちゃん煮砂糖以外に買ってくるのってある?」
「んー、ないわよー。よろしくね」
「うぃー。じゃあ行ってきマース」
いってらっしゃい、のばあちゃんの言葉に、スマホから音楽アプリをタップしイヤホンジャックをぶっ差す。いつもロードワーク中に聞き流すアップテンポの曲が流れる。
嶋田マートはここから近場にあるためロードワークにあまりならないが、少し遠回りして行こうと決めた。
「こんちゃーっス」
「お、白瀧さんとこの。えーと大和くん!」
眼鏡をかけた嶋田さんが店前にいたので挨拶をする。一緒にいた兄ちゃんが誰コイツ、と嶋田さんに話しかけていたがとりあえず俺はばあちゃんのお使いの煮砂糖をゲットする。
ついでにポカリスエットを買って水分補給。
違う道を行ったので思わずわくわくしてだいぶ遠くまで行ってしまったが、知らない道を開拓する感じは冒険をしているようで昔から良くやっていた。
「嶋田さんこれからどっか行くんスか?」
さすがに店の中では飲めないので外に出て飲んでいると嶋田さんとさっきの兄ちゃんが未だそこにいた。
「大和くん、あ、そうだ。
コイツ滝ノ上電器店の滝ノ上祐輔
元烏野高校のOB」
「おう」
「で、こっちが白瀧さんとこのお孫さんの大和くん」
「どーもー」
タッパは俺と同じくらいの滝ノ上さんはイイ感じの兄ちゃんってとこ。2人は元烏野高校のバレー部OBらしい。
翔ちゃんといい繋心といい最近バレー部と縁あるなぁと思っていると、ガッ!と肩を組まれる。
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