クラス事の雰囲気におー。となりながら、1組の日向を探す。あれ、ホームルーム始まってねぇ?
ということで人気の無い廊下で1組が終わるのを待つ。これ2組が終わるのとどっちがはやいだろう。でも俺日向ってやつ知らねぇしなー。すれ違いとかヤだしなー。
とケータイでRINEのグループに日向待ち、とだけ送っておく。すぐに既読がついて久瀬から日向誰wwときたが俺も知らねぇもん。
ガタガタと椅子を引く音が聞こえる。
1組の担任が出てきたので終わったらしい。
「ねー、日向っているー?」
まだ入学してそう経ってもいないので1組の知り合いはいない。適当な奴に声を掛けてみる。
「日向?いるよー。後ろの、ほら、あのオレンジ頭。」
「おー。ありがとー」
爽やかくんにお礼をいって日向を呼ぶ。
「日向?」
「うぇ?!っだ!う、うん、」
まあ知らないやつが声掛けてきたらビビるよね笑。人見知りか知らないけどエラく焦った様に返事をしたソイツは小さいけど大きな眼を見開いて立ち上がる。
「ごめんごめん。俺2組の白瀧っつーの。
原っちからプリント預かっててな。ほれ。」
「あ、ありがとう!」
いーえー。と笑った。
帰ろうかしたらな、なぁ!と声を上擦らせて掛けてきた。
「んー?」
「あ、あの!…お前背ぇ高ぇな!何センチ?!」
「あ、俺?189せんちー」
そう言うと日向はキラキラと目を輝かせてそちらを見上げた。
「うおおおお!たけぇ!いーなー!
影山と月島と同じくらい?!
オレ!日向翔陽!162センチ!」
「影山と月島誰。いぇーい。27cm差ーww」
「くっそー!し、ししゃごにゅーしたら25cm差だし!」
「どう四捨五入すんのwwうけるー。四捨五入したら30cmだっつの。さっきも言ったけど俺白瀧大和。よろしくー」
「よろしく!!」
なんとアホっぽい会話か。
2組のホームルームはもういっかー
と考えながら日向と喋る。ポンポンと進む会話にコイツのコミュ力すげぇと笑いながら話す。
「白瀧かー、シロって呼んでいい?」
「いーよー。みんなシロとかタキだし。
大和って呼ばれ慣れてないからさー」
「ふーん?あ!じゃあオレ!オレは?!」
「翔陽?」
「うん!みんな日向って呼ぶし!オレもあだ名か名前で呼んで欲しい!」
「おー。日向は日向っぽいしなー!じゃあ名前呼びの翔陽な」
「おー!なんかシロが言うとかっけぇ!」
「なんだよそれー笑自分の名前じゃん」
「そうだけど!なんかかっけぇ!」
自分の名前呼びがそんなに良かったのか始終キラキラとした目をあははーと笑って躱す。
閑話休題。
翔陽はバレー部に入ってるらしく小学生の頃見た『 小さな巨人』に憧れているらしい。
……ごめん、なにそれ。知らない。
同じ室内競技だからってそこまで詳しくないバレーボール。3回で相手コートに返すとかレシーブ、トス、アタックがあるとか、ネットに触っちゃアウトとかそういうの。
「もー、影山がくっそ生意気でさ!俺のことヘタクソだのボゲェだのうるせぇんだよー!」
「誰影山ww」
「そんでいま西谷センパイからローリングサンダー習ってんだー!マジすげぇからー!」
「マジかー笑」
バレーにローリングサンダーとか
バレー部絶対オモシロいわーww
そういえば武ちゃんが繋心勧誘してんだっけ
「バレー部はさー、コーチとか監督とかいんの?」
その言葉にしょんぼりする翔ちゃん
あ、やっぱりいないのか
「もうすぐ出来るかもね」
パッとびっくりした様にこっちを見る翔ちゃんに思わずニヤニヤしてしまったがどーいうことー?!と騒ぎ出す翔ちゃんを無理矢理バレー部へと向かわせるのに苦労するとは思わなかったのだ。
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