え?探している人はどんな人かって?別に想い人とかそんなんじゃないよ。


A person one yearns for #02


説明の途中でよくわからなかったけど、
騙されるなと言われた。

そのあとすぐに、ニセ物が現れた。

なんだか出来すぎ。
仕組まれてるんじゃないんだろうか。

そもそも此処はどこなんだろう。

地下100階まで連れて行かれ、自力で100階登らされ。
階段を抜けるとそこは不思議な湿原でした。

そして、44番は強いし危ない。
危ないのは格好だけじゃなかったらしい。

試験官にまで攻撃してるし。
人を殺すことに容赦も躊躇いもない。

(あれ…あの女、58番?オレの前にいたっけな)

また、視線を感じたと思ったら、今度は少年だった。
銀髪でつり目の子。
何か訝しげな目で私のことを見ている。
目が合ったのでニコッとすると、彼はそっぽを向いた。

ちなみに、どうやらまだ1次試験の途中だったらしく、試験が再開された。

一番最後にきたことだし、一番最後から出発しよう。
そんな決まりはないようだけど、変なところで真面目な私。
だけどそれはすぐに失敗だったと気付いた。

変わった敵…というか湿原に住んでいる生き物に周りは大パニック。

なんなくかわしていくと、今度はトランプが飛んできた。
スッと2本指でキャッチすると、ハートのエースだった。

うわ、またピエロ…?

トランプが刺さった死体が数名。

一瞬、目が合った気がした。
あんまり関わりたくないんだけどなぁ…。

ピエロの周りに数十名。

あっという間に減っていく。

「残りは君たち4人だけ」

ピエロの視線がこちら側に向けられた。

((4人…?))

すると、前にいる2人がバッ後ろを振り向いた。
遅れてもう1人も振り向く。

後ろ=私の方ってことなんだけど。

「こ、こんにちは」

3人の驚きの顔にたじろぎながらご挨拶。

(いつのまに、後ろにいたんだ…?)

(なっ、いつのまに…ていうか可愛いじゃねーかおい!)


ザッ

ザッ

ザッ


そうしている間にも、ピエロはこっちに近づいてくる。
すぐに皆ピエロに視線を戻す。

(おい、オレが合図したらバラバラに逃げるんだ。奴は強い……!!)

一番体格のいい男が、指示している。

(今だ!!)

男の掛け声で、3方向へと散った。

私は、まだピエロの前にいる。

(((バカ野郎!!!!!!)))

なんか、いろんな方からそう聞こえた気がした。

「なるほど。好判断だ」

立ち止まって、楽しそうにピエロは笑う。

「ところでキミは何者だい?」

何者と、聞かれてもなぁ…。
名前を答えるしかない。

「私はネコ。あなたは?」

「ヒソカ」

ピエロはヒソカというらしい。

「ネコ、キミは…いいね〜〜。正直受験生には期待していなかったんだけど」

ニコリと笑顔。

「んー…キミは今のままでも充分美味しそうだ……」

ペロリと舌舐めずり。

「!」

そしてそれはそのまま殺気へと変わる。


ああ、なんだろう。
この景色、見たことある。
周りには死体。
血の臭い。
目の前には危険な男。

デジャヴだ。


キッと相手を睨みつけて構える。
本気で戦わないと、殺される。
ズズ…と念を練りだす。

(ん、この気配はどこかで……?)

何故かヒソカが驚いている。

「ネコ、…キミはボクと会ったことがあるかい?」

殺気もだいぶ静まった。

「…いいえ?」

こんな危ないピエロに知り合いは…いないはず。
何かを考えながらじーっと見られていたけど、ふいにヒソカが視線を外す。

その方向を見れば、さっき逃げた男のうちの1人が戻ってきた。
サングラスの男だ。

「やっぱだめだわな(女の子は無事だったか)」

冷や汗たっぷりに男は言う。
ちょっとホッとしたような、怖がっているような、怒りに満ちてるような。

「こちとらやられっぱなしでガマンできるほど…気ィ長くねーんだよォォー!!」

そう言いながら、棒っきれでヒソカに立ち向かう。

「ん〜〜〜いい顔だ」

殴りかかった男の攻撃をいとも簡単に避け、ヒソカが背後から攻撃をしかけるその瞬間。



ドコッ



ヒソカの顔に何かがクリーンヒットした。

「ゴン!?」

男が少年の名前を呼ぶ。
その何かは、現れた少年の釣りざおだった。

ヒソカは楽しそうに好戦する。

「仲間を助けにきたのかい?いいコだね〜」

結局、男はヒソカに殴られ気絶、ゴンという少年も捕まった。
ヒソカは少年と少し話したあと、携帯で誰かと話し、サングラスの男を担いだ。

何もせずに、一部始終を傍観していた私。

そんな私を品定めするように、上から下までひととおりじっくり見て、先ほどよりも気味悪くニヤッとし、ヒソカは去っていった。

…私は、別の意味での恐怖を覚えたのであった。

(美味しそうって…何が?あいつ絶対ヤバすぎる…)

先ほど逃げたうちのもう1人、金髪の青年がゴンの名前を呼びながら戻ってきた。
ゴンは、それに応える余裕もなく、ヒソカを見たままその場にヘタりこんだ。

さっき、ゴン一人で戻れるっていってたけど、
私も一緒に連れて行ってくれるかなー?





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2012.06.11 ヒソカー。…キャラが壊れてないか心配だ。

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