何がいけなかったのかなぁ?
ヒソカが去ってから数十分。
もう、大体の人がスタートしているだろう。
私はまだ動けずにいた。
ヒソカに見られたら、また何か言われるかもしれない。
嵐が去った後の静けさ。
なんとなくそんな感じだった。
滝の音は相変わらずだけど…。
もやもやする。
ヒソカに呆れられたことも…変なことされたことも、今は違う。
別の感情でいっぱいだ。
それが何かは…自分でもわからない。
『キミはハンターには向かないね』
思い返してもあの言葉はズキズキする。
私はハンターになりたくて、この試験を受けているわけじゃない。
受かればなんでもいいはずだ。
『念の使い方にも、正直ガッカリだ』
ヒソカの言葉がひとつひとつ、いちいち胸に突き刺さる。
哀しい、ムカつく、それともショック?
泣きたいのか、怒りたいのか。
そのどれであって、どれでもない。
しっくりこない。
…ずっとここに居てもしょうがないか。
答えのないまま、私は場所を変えることにした。
さて、どうしよう。
試験に気乗りがしないまま、島をぶらぶら。
そういえば、ターゲットがいるんだった。
確か私のターゲットはクラピカ。
探してみるか。
っ!!!
ベシャ。
「プレートを隠さないのは強者か馬鹿」
何が起きたか理解するよりも先に、身体を動かす。
顔をあげると、ニット帽をかぶった男が立っていた。
「あんたは後者みたいだな」
ニヤリと笑って、見せたものは……私のプレートだった。
「じゃあな」
っ!!
急いで起きあがり、追いかけようとした…が。
足を引っ張られてしまい、再度、地面とご対面。
その直後に後ろで物音がした。
右足を見ると、縄がかかっており、その縄は大きな木に結びつけられている。
前に1人、後ろに1人。
2人はグルなのだろう。
すぐに追えばよかったのだろうが、できなかった。
戦意喪失。
自分の情けなさに笑うしかなかった。
これじゃ、本当にヒソカの言うとおりだ。
この試験が始まる時に、私はプレートをとられるなんて思ってもいなかった。
それは決して、過信ではなかったはず…。
でも結果は散々。
あげくの果てに、1時間も経たないうちにプレートをとられる。
…今日は絶対、占い最下位だ。
すべて投げ出したい。
もう、ハンターなんてどうでもいい。
なんて、ね。
半分ぐらい本気だけど、誤魔化してグッと抑える。
物にあたりたいような、叫びたいような、思い。
…くやしい。
そっか。
さっきヒソカに言われたことも全部、くやしいんだ。
試験じゃなかったら、きっと簡単に殺されている。
さっきはプレート。
その前は…もし見つかったのがヒソカじゃなかったら…
考えてゾッとした。
そういえば、ヒソカはなんで私の居場所がわかったんだろう。
…何で私は気付かなかったんだろう。
「さっきの女、ちょろかったな」
「ああ」
先ほどの、プレートをとられて茫然としている女の顔が浮かぶ。
むしろここまで残っているのが不思議なくらいだ。
ヒソカの女とかなんとか、噂が流れていたが、どうやらデマだな。
ターゲットの情報は、トンパから仕入れた。
まったく、トンパも大げさだぜ。
ま、オレ達3兄弟にかかれば敵じゃない。
…下の弟はまだまだ頼りないが。
「よし、次はお前のターゲットいくぞ」
「OK、アニキ」
イモリのやつ、上手くやってるといいんだが。
さて、どうしようかな。
1.プレートを奪い返す。
2.ターゲットを探す。
3.手当たりしだいプレートを集める。
ひとまず3にしよう。
円を…いや。
私、目いいし、念を使わず探してみるかな。
別に、ヒソカにがっかりとか言われたから、使わないわけじゃない。
念を使わなくたって合格してみせるんだから。
…
…
ふぅ。
結構簡単に、3点分は集まった。
不意打ちなんて、卑怯みたいで嫌だったけど。
これは、試験であって試験ではないんだ。
試合ではなく、殺し合う世界。
危ない世界だが、ある意味皆真っ当だ。
真剣に戦っている証拠なのだから。
3点分は、こちらが先手だったこともあり、無傷で相手を殺すこともなく集められた。
合格まであと3点。
自分のを取り戻すか、ターゲットのを奪うか。
そういえば、ヒソカ以外の知り合いとは会わなかったなー。
とりあえず、1日目終了。
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2013.02.09
べ、別に3兄弟好きなわけじゃないんだけど。
見せ場作っちゃった(・д・)
変換なしゴメンナサイ;;
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