何がいけなかったのかなぁ?


A person one yearns for #13


ヒソカが去ってから数十分。
もう、大体の人がスタートしているだろう。

私はまだ動けずにいた。
ヒソカに見られたら、また何か言われるかもしれない。

嵐が去った後の静けさ。
なんとなくそんな感じだった。
滝の音は相変わらずだけど…。

もやもやする。
ヒソカに呆れられたことも…変なことされたことも、今は違う。
別の感情でいっぱいだ。
それが何かは…自分でもわからない。

『キミはハンターには向かないね』

思い返してもあの言葉はズキズキする。
私はハンターになりたくて、この試験を受けているわけじゃない。
受かればなんでもいいはずだ。

『念の使い方にも、正直ガッカリだ』

ヒソカの言葉がひとつひとつ、いちいち胸に突き刺さる。

哀しい、ムカつく、それともショック?
泣きたいのか、怒りたいのか。
そのどれであって、どれでもない。
しっくりこない。

…ずっとここに居てもしょうがないか。

答えのないまま、私は場所を変えることにした。






さて、どうしよう。

試験に気乗りがしないまま、島をぶらぶら。

そういえば、ターゲットがいるんだった。
確か私のターゲットはクラピカ。
探してみるか。


っ!!!


ベシャ。



「プレートを隠さないのは強者か馬鹿」



何が起きたか理解するよりも先に、身体を動かす。
顔をあげると、ニット帽をかぶった男が立っていた。

「あんたは後者みたいだな」

ニヤリと笑って、見せたものは……私のプレートだった。

「じゃあな」

っ!!

急いで起きあがり、追いかけようとした…が。
足を引っ張られてしまい、再度、地面とご対面。

その直後に後ろで物音がした。

右足を見ると、縄がかかっており、その縄は大きな木に結びつけられている。

前に1人、後ろに1人。
2人はグルなのだろう。
すぐに追えばよかったのだろうが、できなかった。

戦意喪失。

自分の情けなさに笑うしかなかった。
これじゃ、本当にヒソカの言うとおりだ。


この試験が始まる時に、私はプレートをとられるなんて思ってもいなかった。
それは決して、過信ではなかったはず…。

でも結果は散々。

あげくの果てに、1時間も経たないうちにプレートをとられる。

…今日は絶対、占い最下位だ。


すべて投げ出したい。
もう、ハンターなんてどうでもいい。


なんて、ね。

半分ぐらい本気だけど、誤魔化してグッと抑える。
物にあたりたいような、叫びたいような、思い。

…くやしい。

そっか。
さっきヒソカに言われたことも全部、くやしいんだ。
試験じゃなかったら、きっと簡単に殺されている。

さっきはプレート。
その前は…もし見つかったのがヒソカじゃなかったら…
考えてゾッとした。

そういえば、ヒソカはなんで私の居場所がわかったんだろう。
…何で私は気付かなかったんだろう。









「さっきの女、ちょろかったな」

「ああ」

先ほどの、プレートをとられて茫然としている女の顔が浮かぶ。
むしろここまで残っているのが不思議なくらいだ。
ヒソカの女とかなんとか、噂が流れていたが、どうやらデマだな。
 
ターゲットの情報は、トンパから仕入れた。
まったく、トンパも大げさだぜ。

ま、オレ達3兄弟にかかれば敵じゃない。
…下の弟はまだまだ頼りないが。

「よし、次はお前のターゲットいくぞ」

「OK、アニキ」

イモリのやつ、上手くやってるといいんだが。








さて、どうしようかな。

1.プレートを奪い返す。
2.ターゲットを探す。
3.手当たりしだいプレートを集める。

ひとまず3にしよう。

円を…いや。
私、目いいし、念を使わず探してみるかな。
別に、ヒソカにがっかりとか言われたから、使わないわけじゃない。
念を使わなくたって合格してみせるんだから。








ふぅ。

結構簡単に、3点分は集まった。
不意打ちなんて、卑怯みたいで嫌だったけど。


これは、試験であって試験ではないんだ。
試合ではなく、殺し合う世界。

危ない世界だが、ある意味皆真っ当だ。
真剣に戦っている証拠なのだから。

3点分は、こちらが先手だったこともあり、無傷で相手を殺すこともなく集められた。


合格まであと3点。
自分のを取り戻すか、ターゲットのを奪うか。

そういえば、ヒソカ以外の知り合いとは会わなかったなー。


とりあえず、1日目終了。


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2013.02.09
べ、別に3兄弟好きなわけじゃないんだけど。
見せ場作っちゃった(・д・)
変換なしゴメンナサイ;;

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