待ち時間って退屈ね…
先に合格した人って、もっと待遇よくてもいいのに。
じっと待ちぼうけなんてつまんない。
唯一話せそうなキルア達は、全然来る気配もない。
あ、ヒソカは論外。
2次試験の時みたいに周りが自然ならまだ退屈はしないんだけど。
数時間後に出てきたのは、ボウズ頭の人だ。
周りを見渡して、ボウズの人はこっちにやってきた。
なんだろう…。
「よぉ、ヒソカと一緒じゃねーんだな」
また噂…と思いつつ、茶化してる感じではなく真面目な雰囲気に、言葉を飲み込む。
ていうか、初対面の言葉がこれってどうなの…?
「別に、ヒソカとは何の関係もないので」
彼の目的がよくわからず、多少無愛想になってしまう。
「そんな警戒すんなって。オレはハンゾー。あんたはネコだろ?」
なんだか、自分の知らないところで知られているって少し怖い。
警戒するなっていうほうが無理な話だ。
そんな私の態度も気に留めず、ハンゾーと名乗った男は話を続ける。
「アンタ、第二次試験に一発合格したってホントか?」
!
「どうしてそれを?」
それを知っているのは試験官の二人と、ヒソカだけだ。
ヒソカにいたっては、信じてくれたかどうかも疑わしいけど。
「あの女試験官達が言ってるのが聞こえたんだよ。やっぱり本当だったか」
あ、メンチ達はちゃんと覚えててくれたんだ。
…じゃあなんで合格者ゼロっていったんだろう。
過ぎたことだし、こうして試験続けられているから別にいいけど。
「寿司を知ってるってことは、ネコもジャポン出身なのか?」
『も』って言った?
「もしかして、ハンゾーも?」
「やっぱそうかー!!テンションあがるぜ!」
まさかの、同じ出身者。
珍しくはないのかもしれないけど、小さい島国だし、なんか純粋に嬉しい。
ハンゾーは忍だと言って、名刺を渡してきた。
忍って本当にいたんだ…。
同じ国でも、住んでいたところはだいぶ離れていた。
言ってしまえば、ハンゾーは都会の方の隠れ里、私は田舎の閉鎖的な村。
楽しそうに話すハンゾーに、私も自然と笑顔になる。
ハンゾーの話は面白かった。
メンチと派手に喧嘩して負けてしまったらしい。
あの時の怒鳴り声は、メンチとハンゾーだったのか。
そして、彼女を怒らせた張本人でもあり、
合格者ゼロにしたのはハンゾーのせいということも判明した。
なるほどね。
別に協力プレーしてたわけじゃなかったのか。
なんとなく一安心。
「ところでよ、本当にヒソカとは何の関係もねェのか?」
また、その話…。
「うん、ないよ。噂はまったくのでたらめだから」
少々語尾が強くなったのは、『ヒソカ』に過剰反応しているのかもしれない。
「噂どうこうってことじゃないんだが…アンタも災難だな」
「え…それってどういうこと?」
「いや、なんでもねェ。じゃあまたな」
一方的に話しかけられ、一方的に話を終わらされ、ハンゾーは別の場所へ行ってしまった。
なんだかなぁ。
しばらくハンゾーを見ていると、離れたところで逆立ちしだした。
訓練…かな?
ヒソカは何故か殺気立ってるし。
あまりに暇すぎて怒っているのかな?
気にしない、気にしない。
そう思うと何故か逆に気になってしまう。
悪循環だ…。
ふー。
ネコの元から去った後、オレは逆立ちして精神統一することにした。
ネコが警戒している時にはなんともなかった。
それなのに、ネコが笑った瞬間。
一気に空気が重たくなりやがった。
もちろん、原因はヒソカの殺気。
最初のうちは我慢できていたが、
どんどん膨らんでいく殺気にオレは耐えられなくなった。
情けないが、ヒソカには勝てる気がしねぇ。
今はまだ…な。
ネコの元から離れると、オレに対しての殺気はなくなった。
近寄るなってことかよ。
間近で見ると一段と可愛かった。
試験が終わったら一緒に国に帰りてぇな…。
なんて淡い期待をしてみる。
…ヒソカさえいなければ。
20時間。
40時間。
60時間。
ちらほらと、合格者が出てきた。
今15人くらいかな?
70時間。
残り時間もあとわずか。
合格した途端に息絶えた人もいた。
キルア達は…まだ来ない。
残り1分。
クラピカ、ゴン、キルアが出てきた。
3人だけかと思ったら、その後からレオリオともう一人知らない人が出てきた。
仲間が増えたのかな?
5人で何かと盛り上がっている。
「タイムアップーーー!!」
「第三次試験、通過人数26名!!(内1名死亡)」
終わった…長かった…
待ち時間…
塔を出ると、また別の試験官がいた。
どうやら、試験は残り2つらしい。
次の試験はまた別の島。
また、移動かぁ。
船は休めるからいいけど。
と、その前に。
クジを引くことになった。
周りがざわつく。
「これで一体何を決めるんだ?」
誰かが言うと、試験官がニヤリと答える。
もともとそういう顔にも見えるが。
「狩る者と狩られる者」
どうやら受験番号のくじを引いて、狩る者を決めるらしい。
すなわち、狩る者がいるということは、狩られる者もいるということだ。
全員狩る者で、全員が狩られる者。
ハンターって感じだ。
自分のプレートと狩る者のプレートが3点、それ以外は1点。
期日までに全部で6点集めると合格らしい。
サバイバルだなぁ。
私が引いた番号は…404番。
確か、ゴンかクラピカのどっちかだ。
ゴンを見るとまだ胸にプレートをつけていた。
405番だから…私のターゲットはクラピカか。
奪いにくい…
下手に知り合いを作るとこうなるんだな。
プレートは6点集めればいいんだから、別の人でもいいか。
船の中はギスギスしていた。
理由は言うまでもなく、クジのせいだ。
ほとんどの人はプレートを隠し、疑心暗鬼に陥っている。
受験生同士戦うのは、これが初めてだ。
一次試験のヒソカは勝手に戦っていたけど。
狩りなんて初めてだから、少しだけ楽しみ。
(…それにしても、お風呂に入りたい)
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2012.07.26
ゴゴゴゴゴ…(`・ω・´)
ヒソカ出さないなりに楽しいな♪(・ω・)←死亡フラグ
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