いざよふ

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※大学生パロ



大晦日だって日常には変わりない

「元親! たこ焼きパーティーしようぜ!」
「お邪魔致す、元親殿!」
「お邪魔しま〜す」
 玄関のドアが突然開いたかと思うと、幸村と慶次、それに佐助までズカズカと部屋へ上がり込んできた。幸村と慶次は食材を、佐助は大きな箱を抱えている。
「あれ、政宗は?」
「まだバイトだ。っつうかこんな大晦日に男ばっかかよ」
「そう文句ばっか言いなさんなって」
 元親がコタツにくるまったままでいると、幸村と慶次が台所へ向かい、佐助が箱の包みを開いた。どうせ追い出した所で出て行くような奴らではない。元親はため息をついて諦めた。最後の維持で手伝わないでいると、佐助と慶次が意外と手際よく下準備を進めていった。幸村も2人の指示に従っている。
「そういや、なんでうちなんだ」
「いや〜そこの商店街でたこ焼き機当たったんだけどさ。持って帰るの重いし、ここのが近いからさ、来ちゃった」
「きちゃった、じゃねぇよ。お前は俺の彼女か」
「まあまあいいじゃないの。飯も持ってきてんだから」
 慶次がたこ焼きのタネを入れたボールを持ってきた。
「あれ?真田は?」
「奥で中身用意してる」
 中身とはタコのことだろうか。さっきから凄まじい掛け声と包丁の音が聞こえてくるのが若干、不安だ。
「つーかたこ焼きってどう作るんだ?」
「とりあえず作り方に書いてある通りに作ればなんとかなるさ」
「あとさ、これ何でひっくり返すの?」
「……つまようじ?」
 何も考えていなかったらしい。
「ったく、串取ってくるからちょっと待ってろ。その間に油引いとけ」
 渋々台所へ向かうと、タコと格闘し終わったのか幸村が器にたこを盛っている。
「できたか?」
「元親殿!」
 楽しそうに振り向いた彼の手元には、たこではなくナタデココ、アポロ、桜海老、チキンラーメン、いちごが並べられていた。
「タコじゃねェのかよ」
「タコは高いので代用品を入れようと、前田殿が」
「で、それ入れんのか?」
「もちろんでござる。佐助と前田殿が美味いからと選んでくれたのだ」
「へぇ、そりゃ楽しみだな」
 それまでやる気の無かった元親の目が楽しそうに光った。こういうたこ焼きパーティーなら大歓迎だ。
「幸村ぁー、そろそろ具も持ってきてー」
 もうそろそろ政宗も帰ってくる頃だ。食にうるさい奴が帰ってくる前に作ってしまおう。



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