「ひっ…い、い」
「ほら、こっちは初めてなんだってなあ?」

あの日、酷く嫌な思いを俺にしてきた上司と同僚が俺を呼び出した。
また同じ場所だ。

何をされているかと言えば、俺は人生の中でトップクラスに入る危機だった。


上司の一人が、俺をまんぐり返しにして、くるくると指の腹でアナルの縁をゆるゆるとなぞったりしていた。
ときどき、かたく閉ざされたアナルに指を入れようとしていたが、当然そんな所は排泄する為しか使ったことがない。
受け入れられない指が、ぐいっと押し返されて、入れられない。

上司はいらいらしだした。

「おい、誰かローションあるか」
「ないねぇ」
「今日はあいにく…」
「すみません」
「チッ…」

他の上司も同僚も、誰も持っていないようだった。

安堵した。指先から力が抜けていく。

そんな俺に、上司は信じられない言葉を吐いた。


「いい。このままもう、入れる」


上司はバックルを外しだしていた。
俺はもう、この時点で、多分相当量の涙をいっぱいに溜めていたんだと思う。



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