09
「……。」
「…やばー。」
長谷は俺の絶対領域を指先でツンツンしたり撫でたりしてくる。
写真を撮られるのだけは勘弁して欲しい俺は抵抗せず大人しく触らせてあげることにした。
いや…抵抗したら逆に燃えるらしいし。
男の太股を触りたいと思う長谷の心境は理解出来ないけど。
「谷本君って肌白いのな。しかもスベスベ〜。ちょっと味見程度に甘噛みして舐めてみたいな…ゴホンゴホン心の声が…。」
「……きも。」
馬鹿なのかコイツは。
心の声とか言って全部ただ漏れな上に変態発言。
気持ち悪すぎる。
いつまでも気持ち悪く触ってくる長谷にとうとう限界が来た。
我慢出来ないと立ち上がり、しゃがみ込んでいた長谷の肩を軽く蹴ってやった。
「触んな変態。」
「っ…ちょっ、…ブラック谷本君!?」
いきなり行動した俺に長谷が驚いているのを見下す。
ざまぁみろ!
そう内心嘲笑った瞬間だった。
後ろから腕が回ってきて気付けば誰かに抱き締められていた。
俺は一体誰がそんな事をしているのか分からず、相手を見ようと振り向こうとした。
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