03
「おー、マナト!グッチー!」
俺達はまず最初に一組へ行った。
一組はメイド喫茶。
目の前にはフリフリでピンクと白のメイド服を着た池内が出迎えて…
と言うのは冗談。
池内にそんな気持ち悪い格好されたらたまったもんじゃないな。
「マナト食ってく?」
「うん!」
2人のクラスでは豚汁を作っていた。
メイド喫茶とはかけ離れているが冬には丁度良い出し物。
ちなみにメイド喫茶は二年の生徒会メンバーが居るクラスが出してるらしい。
一応ウチのクラスにも生徒会書記が居るんだけどね。
会長と副会長が同じクラスでしかもイケメン、二人ともダントツ人気だから満場一致でそのクラスがメイド喫茶に決定したらしい。
…この後覗いてみようかな。
「池内、俺も食う。」
「自分のクラスのやつ買うなし。俺だってまだ食ってねぇのに。」
「金は払うんだからクラスの利益に貢献してるだろ?」
野口は文句を言う池内から豚汁を受け取り俺の隣に座った。
フーフー息を吹きかけてから豚汁を啜って「極楽極楽」と呟く。
なんか違うだろそれ。
何で銭湯気分なんだよ。
「文化祭ってさぁ…」
「うん。」
「青春って感じがする。」
「……なんかこの空間だけ年寄り臭くない?」
「そうか?」
そうだよ。
でもま…
ザワザワとしてる空間でこんな風に落ち着いているのは嫌いじゃなかったり…
むしろ和む。
これって野口効果‥?
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