02
「あいちゃん!誕生日おめでと!」
で。
一番仲が良い池内じゃなくて、友達の友達である野口が真っ先に祝ってくれたりして。
「ありがと…つか覚えてたんだ‥。ビックリした。」
「まぁな。はい、プレゼント、」
まさか野口が俺の誕生日を覚えているなんて思わなかった。
それだけでもビックリなのに、野口は俺にプレゼントまで用意してきた。
本当にビックリだ。
「いいの…?俺、何にもあげてないのに‥、」
「そんなの全然いいよ。…よし、歌のプレゼントも贈ってあげよう!」
そう言って低い声でハッピーバースディを歌い始めた野口。
や、止めてくれ!
恥ずかしいから止めてくれ!
「ハッピバースデートゥーユゥー、」
一人で歌いきって、最後に「おめでとー」と言いながら拍手までされた。
俺は反応に困って呆然と立ち尽くし、横では池内がヒーヒー言いながら笑い転げていた。
「…あ、ありがとー、」
俺はこの日を一生忘れないだろう。
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