02



ある日の昼休み。

食堂へ行こうと鞄を持って教室を出たら、たまたま前方から野口が歩いてきた。


「おー。あいちゃん。」


手を振ってきた野口に俺はニコッと笑いかけながら軽く手を振り返した。

そして普通に野口の横を通り過ぎた時。

後ろから「あ、待って!」と声がした。


振り返ったら野口は鞄に手を突っ込んで、何かを探し始めた。


「なぁ、あいちゃんってさ、ペカチュー好きだったよな?」

「うん…好きだけど、」

「…よし、あった。これあげる。」


そう言って渡されたのはペカチューのキーホルダー。

ちなみにペカチューって言うのは俺が好きな漫画のキャラクター。

特にペカチューは昔から大好きで、携帯の待ち受けもペカチューだったりする。


「ペカチュー…何でこんなの持ってんの?」

「ん〜、何か家にあった。あいちゃんがペカチュー好きだから持ってきたんだけど‥要らなかったら捨ててもいいよ、」

「厭々捨てないし!…そっかぁ…ありがとっ!」


不意打ちのプレゼントに思わず笑みを零す。

純粋に嬉しかった。



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