01
「あいちゃんだ。」
俺が一組へ行くと何時も池内より先に野口が、俺が来た事に気付いてくれる。
そして手を振りながら俺の名前を呼ぶ野口に、俺も手を振りながら近付いていくのが最近のお決まりパターン。
「池内は?」
「さぁ、知らん。」
「そっかぁ‥、じゃあいいや。」
「えー、あいちゃん帰んの?グッチー寂しい。」
「え…、どうしたいきなり、」
両手をクロスにして体を抱き締める様なポーズをとり、寂しいアピールをしてきた野口。
相変わらず謎過ぎてニヤケる顔を片手で隠した。
こんな野口の性格は最近のツボだったりして。
思い出すだけでも笑えるんだから本物の威力は半端じゃない。
「グッチー寂しいと死んじゃう。」
「死んじゃうってウサギじゃないんだから!」
「僕の前世はウサギなんですぅー。」
「何それぇー、」
やっぱり適当だなぁって思うけど、こうやって冗談を言ってる野口と居るのは楽しかったりする訳で。
俺はこんな野口にハマっていた。
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