02



野口から借りた体操服は予想通りサイズが合わなかった。

クラスの奴らはブカブカな体操着と胸元に刺繍してある『野口』と言う文字を見て「野口ちっちゃくなったな!」なんて何度も笑って茶化してきた。


うるせーな!

ばーか!!






一限目終了後、急いで着替えた俺は体操着を返しに行った。

いち早く野口に近付いていくと、顔を上げた野口と目が合う。


「あいちゃん。」


いつも通り俺の名前を呼んだ野口が手を振ってきたので俺も軽く手を挙げた。


「体操服ありがと。これ洗って返した方がいいよな?」

「いいよそのままで。それより体操服大きくなかった?」

「……ちょっと。」


…忘れかけてたのにムカつく。

ふてくされて言ったら野口はフッと笑って「飴あげる」とイチゴミルク味の飴をくれた。

なんでイチゴミルク?

男子学生でイチゴミルクの飴持ってる奴なんて初めて見たよ。


「あいちゃん、これでカルシウム取りな。」

「……、」

「あ、まだいる?いっぱいあるからさ、好きなだけ持っていっていいよ。」

「ありがと、じゃ帰るわ。」


変な奴…、

てか俺、馬鹿にされてる?



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