英霊召喚/(???/FGO)

光る、光る、光る。
何度も何度も英霊召喚を繰り返して、この目に痛い光にも慣れた。
しかし、痛いのは目よりも心かもしれない。旅の途中で消えていった仲間の顔が脳裏に浮かぶ。数々の信念、正義、因縁、怨念、人間のあらゆる欲望が私の旅には付いて回った。きっとこれからも変わらない。愛情や友情があっさりと裏切られる。世の常だなんて思いたくないが、それらが渦巻くのが人の世の真理なのだろう。
『マスターは若くして、人の心を見すぎている。』、少し前にダ・ヴィンチちゃんとロマニがそう言っていた。その時、私はそっと壁の影から離れるしかなかった。ちょうど、彼らが気にかけていたような事の重圧に押しつぶされそうになっていたから。幾度も膝を折りそうになった。地面に手を付きかけた。
でも、今わたしは立っている。なぜ? 消えていった仲間がいたからだ。そして今となりにいる仲間がいるからだ。
そうだろう、カルデア最後のマスターよ。
私自身はたいした人間ではないけれど、その称号に負けてしまってはすべての仲間に合わせる顔がないじゃないか。積み重ねた人理に不誠実極まりない。
現在存続している人の世は、私が、セイバーが、アーチャーが、ランサーが、ライダーが、キャスターが、アサシンが、バーサーカーが、ルーラーが、アヴェンジャーが、シールダーであるマシュが、積み上げてきたものだ。このかけがえない未来を手放してなるものか。

召喚の光の向こうに懐かしい顔が見え始める。未来を共に編んだ仲間だ。

はじめまして、ひさしぶり。
これから宜しくね、以前はありがとう。
君はどれ程の力を持っているのかな、君はすごく強かった。
貴方は聖杯にどんな望みをかけるんだい、貴方は本当は聖杯に自分のための望みを持たなかった。

「さあ契約を、マスター。」





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