カルデアビーチ/ギルガメッシュ(FGO)

 謎の島にレイシフトしてからはや十日。遊び半分の気分で始めた開拓作業も本格的なものになりつつある。いくら規格外サーヴァント揃いとはいえ、こんなにほいほいとお城や闘技場なんて作れることがあって良いのだろうか。いや、よくない。とうとう、指揮を高めるためにでっかい像を作ることになった。その場の雰囲気でオッケーしたが、正直、これより先に作るものあったんじゃないか…?

「マスター、炎天下での作業、お疲れではないですか。」
「うー…さすがにこの日差しはたまんないね。」
「少し涼んで来たらどうでしょう。」
「みんなが頑張ってくれてるのにひとりだけ休むのは…。」
「マスターが倒れては私たち全員が困ります。さあ、水をたっぷり飲んで休憩をとってください。熱中症にはくれぐれも気を付けて。」
「はい…、じゃあ少しだけ。」


「うはあ…屋根の下は涼しいなあ…。みんなには悪いけどマシュがああ言ってくれたのは助かったなあ。やっぱりサーヴァントとは体力値が違う――………、…あのー、王様何してるんですか。」
「暑い。扇げよ、雑種。」
「えっ、説明なし…。いつの間に来たんですかあ! まさかレイシフトの権限勝手に使って…。」
「些事を申すな。南国、リゾート、海! ここに我が居らぬでどうするか! この至宝の肉体が太陽の輝ける地になくてはならぬ…。我の存在なくして何がビーチよ!」
「リゾートじゃねえんですけど。ってゆーか! ここに来られるならカルデアと連絡着くってこと? 私は早く帰りたい!」
「そう急くな。あのもやし男もお前を必死に探していたぞ。カルデアはお前らしい存在は観測出来た。しかし砂丘の砂粒ひとつ程度のわずかな反応だったため、通信に必要な、正確な座標までは観測出来ぬと来た。そこで我の出番という訳よ。おおよその位置にレイシフトの座標を取った。雑種や三流サーヴァントでは自らの意思による軌道修正は叶わぬが、我は貴様らと違うからな。首尾よく貴様の魔力を感知してここまで来た。」
「ふーん、じゃあ逆行してカルデアに戻る手段というのは…。」
「無い。」
「(役立たず! 厄介者が増えた!)」
「現時点で戻る手段が無いとはいえ、この我が来てやったのだ、大船に乗った気でいるが良い! マスター!」
「なーんの手立てもないまま来ちゃったってことですねー…。なのに自信は溢れんばかり…言うほど最強でもないのに…。」
「手が止まっているぞ。何度も言わせるな、扇げ。」
「私、休憩に来たんですけど…。いっそ余計なことを何もせず、ずっと涼んでくれるだけだったら有り難いなあ…。」
「ははは! 我が来たのがそんなに嬉しいか! 泣くな泣くな!」





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