しんべと花屋のおねえさん/ベクターs

『あー、あの姉ちゃん今日も笑ってら…。キレーだよなあ…。こうやって学校の帰り道に影から相手を見てるだけじゃあ、どーにも始まるモンも始まらないのはわかっちゃいるんだけどな…。せめて俺があと3つ、いや5つ上の体で転生してれば釣り合いも取れたのによ…。』
「そこの不審者、今日も花屋の店員のストーカーか。署まで同行願おう。」
「ぎえええ! 違う違うっ! ボク何も悪いことはしてませ…アァ? 警部の方か、脅かすんじゃねーよ。」
「冗談ではあるが、お前が不審者という事に違いはないぞ。…ふーん、彼女が噂の…。」
「う、うるせえ…、あっち行ってろ。」
「見ているだけで思いが伝わるならば、この世はカップルだらけだ。」
「ふん、…世の中にはタイミングってのがあるんだよ。」
「そうか。つまり君はすっかりタイミングを逃したのだな。」
「は? どういう意味だ。」
「アレを見ろ。」
「はあああああ? なんであのキザ皇子が居るんだよォ! あっ、手ェ触りやがった! 警部ー! テメエ、コラ離せ! アイツぶん殴ってやる!」
「どうせいつものように返り討ちに合うのが関の山だろう。」
「やってみなきゃわかんねーだろ! だーッ! 離せ離せ離せェ! 毎度アイツにヒデー目に合わされてるんだ、今日という今日は我慢の限界ぃ…、」
「おい貴様ら、往来の邪魔だ。何をしている。」
「ヒッ! いつの間に…い、いやあ、今日はいい天気だなあ〜。」
「…その身代わりの速さ、感服するぞ。…ところで、どうして君は花屋に?」
「これだ。」
「笹…。あっ、七夕か?」
「日本の伝統文化だと聞いてな。そこの花屋で。短冊も貰った。あとでやり方を教えろ、下僕。」
「下僕じゃねーから!」





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