pivo/皇子

「あァー、美味い。仕事を終えて飲むお酒が一番美味しいですねえ、皇子。」
「うーん、私には分かりかねますが…。この苦さが合わなくて。ワインがやっとです。」
「あらあ、私だって皇子の歳頃、いえ、もう少し前にはもうお酒は当たり前に飲んでましたわ。」
「はは…***はそうでしょうね…。あ、お水ありがとうございます。」
「無理はしないでよろし…、おっと、皇子にお酒を注がせちゃいけませんわァ。お酌は下々のものにお任せなさい。練習? 何を言ってるのか。皇子が他の人にお酒を注ぐことなんてありません。皇子は威厳を持つ練習の方が先です。」
「良いではありませんか。ふたりきりなんですから、他の者の目を気にすることもないでしょう。」
「だァめです。これでもきっちり線引してるんですよォ。そりゃ口は悪いし、臣下とも、女とも思えないような態度は承知ですけれど。」
「***はとっても素敵な女性ですよ。」
「…突然褒められると照れますね…。」
「侍女頭としても…山程あるお仕事をいつも的確に処理しているし…、頼りにしてます。おや、珍しく顔が赤い。飲み過ぎましたか。」
「そこはかとなく意地が悪い人ですね…。生涯で何人の女性を泣かす事になるのか、いまから楽しみですわ…。」





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