お熱/皇子

はあい、ただいま。…こんな夜更けにだれかしら…。あ、皇子!わざわざ女官の階までいらっしゃるなんて喫緊のご用事で…ひあ?!ん、ん…、こんな、扉越しに聞こえてしまいます。そうでんなくとも廊下に音が響きます…。ああ、ああ、ほんとうにどうされました、お呼び立て頂ければすぐに参りましたのに…ふ、うう、…あ、いや…。うん…ん、っ、はげし…ひィ…、あつ、あつい…、……あっ、アア…!は、…ふう…。……もう、せめて横にさせてくださいまし…。こんな廊下と板一枚隔てたところで…。恥ずかしい、明日の朝におしゃべりな小鳥たちになんと言われるか…。…皇子?ベクター様?随分無口でいらっしゃる…まあ!なんてお熱!道理で熱いと!え、何処がとは……うう、酷うございます。妙なところに食いつかないでください。具合が悪くてもこういうところだけは元気なんですから!戻る元気も無いのですか。わたくしの寝床で構わなければお使いください、ほら、…いやじゃありません!こんな事をする元気があるなら公務にお向けください!え、わたくしですか。…か、廁です。このまま横になったら毛布が大変なことになってしまいますから。う、勿体無い、ですが、……これ以上言わせないでください、元はと言えばベクター様がお風邪なのにお遊びになるから…。綺麗にしてまいりますから、いい子に寝ていてくださいませね!






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