末摘花/皇子

おや、どうかしましたか。
髪で覆ってしまうなんて勿体ないです。
ほら、面を上げて。
恥ずかしいからと顔を隠していてはだれと居るのか分からないでしょう。
他の誰かと一緒にいる、私にそう思われてもいいんですか。
ええ、冗談です、他に興の引かれる女性はなんていませんし。
ふふ、すねるところも好きです。
はい、いいこですね。
これからも素直に従ってください。
だって私は皇子ですから、ね?
ふふふっ、あなたの笑った顔好きですよ。
恥ずかしがらなくたって、私しかあなたの顔を見ることはないんだから、いいじゃありませんか。
きっとご両親でも気づけないでしょうね……。
頬は破れ紙、髪は藁しべ…耳の傷、痛みますか。嗚呼、膿が。





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