第6話 戦闘!ジムトレーナーニシノヤA
「さあ、どこからでもかかってこい、ミドリッ!」
「ミドリ頑張ってー!」
「ぶぅーい!」フリフリ
「はあ、めんどくさ…。えーと確かこのへんに、タマキ博士から貰ったイーブイの技の説明書が…」ガサゴソ
「わかってはいたけどホントにやる気ねえなお前」「コラーッ、ミドリ! ポケモンバトルの最中なんだから、もっと真剣にやりなよーっ!」
「だってこれ見ないと、技の効果とかよくわかんねーし…。えーと、とりあえず『たいあたり』?」
「ぶきゅ」タタッ
「リオル、『みきり』だ!」
「くわんっ!」スッ
「わたしのイーブイと同じ『みきり』! ノヤさんのリオルも、特別な技を覚えて生まれたポケモンなんですね!」
「ヘヘッ、特別な技は『みきり』だけじゃねえぜ! リオル、『バレットパンチ』!」
「わうっ!」ヒュンッ
「ぶ…!」
ドォォォォンッ!!!!!
「うわ、速っ…!? イーブイ、立てる?」
「ぶきゅ」コクリ
「い、今のは…! ミドリ、あれは『バレットパンチ』だよ! はがねタイプの技で、必ず相手よりも早く繰り出すことができる技!」
「は? ってことは、わたしのイーブイがどんなに素早くても関係なしってこと?」
「そういうことだ! 相手がどんなに素早いポケモンだったとしても、先制技で確実に先手を取る、これがオレのバトルスタイルだぜ!」
「くわんぬ!」エッヘン
「……ってことは、素早さは捨てちゃっていいと。それなら、この技のデメリットを気にしなくてもいいってワケだ」
「あん?」
「それじゃあイーブイ、『のろい』」
「ぶぅ」ユラァ
「な、なにィ!? そのイーブイ、『のろい』を覚えてんのか!?」
「はぁ、わたしが覚えさせたワケじゃないけど。動きが鈍くなる代わりに攻撃と防御が上がる…って技らしいっすね、説明書にそう書いてあったです」
「な、なるほど! 必ず先手を取られるのなら、素早さが下がっちゃう『のろい』のデメリットを気にしなくてもいいってことかぁ! ミドリ、やっぱり頭いいから、技の使い方上手いなぁ!」
「くそう、だがたった一回『のろい』を積んだだけじゃ、オレのリオルはビクともしないぜ! リオル、イーブイの攻撃は『みきり』で躱しながら、こっちは『バレットパンチ』で攻め続けろ!」
「くわう!」
「イーブイ、『あくび』」
「くわぁぁぁ…」ポンッ
「あ、『あくび』だとォッ!?」「あくびをすることで、相手のポケモンの眠気を誘う技! ミドリのイーブイ、そんな技まで覚えてたなんて…! タマキ博士、隙が無いなぁ…!」
「く…くぅ…ん…」ウトウト
「リオル! や、やばい、リオルがねむり状態に…!」
「えーと、ポケモンはねむり状態になったら、しばらく技とか使えないんだよね。『みきり』される心配もないと」
「ぶぅ」
「よしイーブイ、『のろい』5回くらいやっとこうか」「お前めっちゃバトル慣れしてんじゃねえか!!!」「zzz……」
ミドリのイーブイの技構成
・たいあたり
・なきごえ
・のろい
・あくび
ちなみにニシノヤのリオルの『みきり』『バレットパンチ』も、親のポケモンから遺伝された技だ。『みきり』はルカリオに進化すると覚えられるようになるけど、『バレットパンチ』はこの方法でしか覚えることはできないぞ!
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