第三話 戦闘!ジムトレーナーツキシマ@




「ふわぁぁ……。相変わらずこのジムは暇だね」


「そうだねツッキー! 今日はまださっきのヒナタしか挑戦者が来てないからね!」


「…ってなんでヤマグチがいるの、お前ジムトレーナーでも挑戦者でもないでしょ」


「細かいことは気にしないで! ……とそうこうしてるうちに、どうやら新しい挑戦者が来たみたいだよツッキー!」


「たのもー! ジムリーダーに挑戦しに来ましたーっ!」


「見物に来ましたー」


「あれ、リリとミドリ? そっか、今日がポケモンを貰う日だったんだね!」


「ポケモンを貰ってすぐにジムに挑戦とか、相変わらず短絡的思考だね」


「むかっ、タンラクテキシコーの意味はわからないけど、なんか馬鹿にされた気がする! ええいツッキー、わたしはジムリーダーのダイチさんとバトルがしたいの! まずはそこをどいてもらうよっ!」


「ぶぅい!」フリフリ


「フン。貰ったばかりのポケモンで、僕のポケモンに勝とうだなんて、これだから脳筋は。いいよ、さっきのヒナタと同じように叩き潰してあげる。おいで、テッシード!」ポンッ


「てっしてっし!」キラーン


「出た、ツッキーのテッシード! くさ・はがねタイプのポケモンで、防御力に優れたポケモンだよ!」


「あれ、そういえばツキシマくんって、くさタイプのポケモンばっかり連れてたよね。なんでくさタイプのジムじゃなくて、はがねタイプのカラスノジムのジムトレーナーやってんの?」


「ああ、それはね……。くさタイプのジムリーダーがちょっとツッキー的にはアレな人で、『あんな人のところでトレーナーなんかやってたら馬鹿が映る』って……」


「どんな人なんだよ、くさタイプのジムリーダー」











「それでは、カラスノジムのジムトレーナー、ツキシマと、挑戦者リリのポケモンバトル、はじめっ!」


「イーブイ、『たいあたり』!」


「ぶいっ!」ドーンッ


「お、リリのイーブイの先制攻撃だ。テッシードってポケモン、そんな素早くはないんだね」


「はっ、キミのことだから絶対にそう来ると思ったよ。テッシード、お前の特性を見せてやりな!」


「てっし!」キラーン


「きゃんっ!」グサリ


「イーブイ! そんな、攻撃されたわけじゃないのになんで…!?」


「僕のテッシードの特性は『てつのトゲ』。直接攻撃を受けた時、自分の身体のトゲを攻撃をしてきたポケモンに刺して、体力を少しだけ減らすことができるのさ」


「うぬぅっ、ツッキーらしい嫌らしい特性だなぁ…! それじゃあ迂闊に攻撃できないじゃん…」


「こっちの攻撃はまだ終わりじゃないよ。テッシード、『ころがる』!」


「てーっし!」ゴロゴロゴロゴロ


「きゅあんっ!」ドンッ


「イーブイ! 大丈夫!?」


「ぶ、ぶいっ!」


「お、案外リリのイーブイ元気じゃん。やるねぇ、イーブイ」


「ぶ」


「テッシードは防御力は高いけど、攻撃はそこまででもないからね…。でも『ころがる』は転がっていくごとに徐々に威力が上がる技だから、イーブイぐらいの防御力だったらあっという間にやられちゃうよ!」


「えぇっと、他に覚えてる技でテッシードを止められる技は…! そ、そうだ! イーブイ、『みきり』!」


「ぶい!」スッ


「てしっ……!」スッテンコロリン


「ハア!? なんでイーブイが『みきり』覚えてるワケ!? それ確か親ポケモンから遺伝させなきゃ覚えない技でしょ!?」


「えーっと確か、『ニンフィアと同じ理論で、かくとうタイプの技を覚えた状態でレベルアップすれば、かくとうタイプに進化するかも』って実験の末に生まれたのがそのイーブイだからだったと思うけど。イーブイって『みきり』以外にかくとうタイプの技は覚えないらしいからね」


「ちなみにミドリのイーブイも、特別な技を覚えさせて生まれたイーブイなんだって!」


「タマキ博士ってホントにイーブイ好きだね。まあいいや、どうせキミのイーブイの攻撃じゃ、僕のテッシードを倒し切る前に『てつのトゲ』で自滅するだけだからね。テッシード、『かたくなる』!」


「てしっ」カチーン


「ぐぬっ、させるかー! イーブイ、『しっぽをふる』!」


「ぶぅ!」フリフリ


「防御力を上げる『かたくなる』に、防御力を下げる『しっぽをふる』! 凄いよ、熱いバトルになってきたよミドリ!」


「いやそれ、堂々巡りなだけなんじゃね。このバトル終わんのかね、イーブイ」


「くわぁぁぁ……」





つづく!





・ツキシマ
カラスノジムのジムトレーナー。リリやミドリたちと同い年だが、既にポケモンを貰って各地のジムを巡ってきたエリートトレーナーだ! 今回はテッシードでバトルしてるけど、一番の相棒ポケモンは別にいるらしいぞ!

・ヤマグチ
ツキシマの幼馴染。ポケモントレーナーとしてのツキシマのことを尊敬しているそうだ。彼もポケモントレーナーらしいけど、その実力はいかに…?




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