三成、意外な才能の巻
「丈花殿、某この部屋には入ったことがござらんが、ここは何の部屋なのでしょうか?」
「そこ?そこはお母さんが趣味でやってた楽器とか楽譜とかが入ってる音楽室だよ。入ってみる?」
「よろしいのでござるか!?」
「まーここも掃除してないしね・・・。佐助にでもやらせるか」
「丈花ちゃん最近俺様の扱いがどんどん酷くなってない?」
「あれ、いたんだ佐助。気のせい気のせい!ほら、鍵開けるからそこどいて!」
「おおおおおおおおおおおおおおおっ!!!何やら奇っ怪なものが山のように揃っておりますな!!!」
「広い部屋だねー。丈花ちゃん、これ何ていうの?」
「それはピアノって楽器。ここが鍵盤でこれを押すと・・・」
ポーン
「おおおおおおっ!!音が出たでござる!!」
「貴様ら、喧しいぞ!!何を騒いでる!!」
「あ、石田の旦那。いやね、ぴあのとやらを鑑賞してたんだけど・・・」
「・・・ぴあの?これは日曜の夜にてれびにでているあの複雑怪奇な楽器か?」
「ら○らクラシック見てたのか三成・・・。まあ多分三成が見たやつと同じ楽器だよ。何、気になる?」
「この楽器の奏でる荘厳な音は秀吉様と半兵衛様を讃えるに相応しい」
「(めんどくせえ奴だなこいつ)じゃあ弾いてみる?確かこの辺にバイエルがあったから練習してみたら?」
「丈花殿!!某も弾いてみとうござる!!」
「あー・・・、幸村、多分お前には無理だ。ピアノは繊細な楽器だから」
「ご安心なされよ丈花殿!!壊すような真似は致しませぬゆえ!!」
「壊さないんならいいけど、心配だなぁ・・・。はい、三成」
「これはどのように読むのだ?」
「後で教えるから。じゃあこのピアノ調律しなきゃな・・・。YA○AHAさん呼ぶか」
3日後
「丈花、このばいえるとやらは弾き終わった。次のをよこせ」
「え?もう?私はバイエルに3週間もかけたのに・・・。じゃあはい、この辺やってみな」
「わかった」
「丈花殿、『ど』はどこでござろうか?」
「やっぱりお前やめときな幸村!!才能ないとかそういう問題じゃないから!!」
1週間後
「丈花、これも全て弾き終えた。次のをよこせ」
「えっ?マジで?私この楽譜で脱落したのに・・・。じゃあ、これとかかな?」
「ああ」
「・・・で、幸村。結局ピアノはどうしたの?」
「某、まだまだ鍛練が足りませぬ!!ぴあの殿に勝つ為、幸村は精進致しますぞお館さまあああああああああああああああああああああ」
「・・・ピアノに勝敗も何もないよ幸村」
2週間後
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「ねえ刑部三成どうなってんの!?ピアノ初めて2週間でいきなりショパンの英雄ポロネーズってどういうことなの!?」
「三成はもとは器用で感性豊かな男ゆえ。あやつは弦も得意であったしな」
「三成の意外な才能が開花したよ・・・・・・」
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!熱く燃えたぎるぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「お前はうるせえ黙ってろやぁぁぁぁぁぁっ!!!結局ピアノはどうしたんだよぉぉぉっ!!!」
ピアノを弾く三成が頭に降ってきたんだ・・・ただそれだけなんだ・・・
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