武将、夏の怪談話大会の巻
「ふと寒気を感じて振り返ると、そこには巨大なハシビロコウが・・・!!」
「うぎゃあああああああああああああ!!!恐ろしいでござるうううううううううううううううっ!!!」
「貴様ら、喧しいぞ!!何を騒いでいる!!」
「あ、三成。いやね、最近暑いから怪談話でもして涼もうかと思ってね」
「今の話のどこが怪談だ。くだらん、怪談などで涼めるものか」
「まーまー、三成も何か怖い話してよ。私もうレパートリー切らしちゃってさ」
「丈花殿の怪談話はまこと恐ろしかったでござる・・・」
「私は怪談など知らん。その手のことは刑部に聞け」
「あ、確かに刑部はそういうの詳しそうだね」
「誰ぞ我を呼んだか」ヌッ
「うおあぁっ!!び、びっくりしたー!いきなり背後から現れないでよ刑部!」
「何とまぁ、色気のない叫び声よな」
「大谷殿、貴殿は怪談話を何かご存知でござるか?」
「怪談?」
「ほら、最近暑いからさ。怪談話で涼もうかと」
「ヒッヒッヒ、そういうことなら任せよ。・・・ある城に新入りの女中が奉公に参った。その女中は古参の女中から、西の離れにだけは近寄るなときつく命じられた。しかし気になった女中はその命を破り、西の離れへと足を踏み入れてしまった。そこで女中はこの世のものとは思えない悍ましい生き物を見た!」
「悍ましい生き物!?なになに!?」ドキドキ
「その生き物は全身が包帯で覆われ、白目と黒目の反転した歪な瞳を持ち、宙に浮く摩訶不思議な輿に乗った、酷く悍ましく恐ろしい化け物だった!」
「キャーこわーい!ってそれお前じゃねーか!!高度な自虐ネタはやめてよ反応に困るから!!」
「ヒッヒッヒ、バレたか。我という存在より肝の冷える怪談などあるまいて」
「刑部、自らを蔑ろにするような言葉を吐くな!貴様を愚弄する者はたとえ貴様自身でもこの私が許しはしない!」
「あいわかった、すまぬ三成。ところで丈花、早にそこに転がっている真田をどうにかせぬか」
「へ?幸村・・・って、失神してるし・・・。そんなに怖かったのか、刑部の怪談・・・」
刑部は怪談話とか得意そうだと思う。幸村は怖い系苦手そう。
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