喫茶
- 「九社前上等。クインケの修理が完了しました」
「おー!さんきゅー林」
「いえいえ、SSレートの喰種のクインケをみられてこっちも嬉しいですから!あ、どうせなら飯いきません?近くにめちゃくちゃ美味いパスタ屋さんあるんすよー!しかもパンの食べ放題付き!」
クインケの開発部にいる林。林は同い年であることがきっかけで親しくなったんだが…まぁ、この話はいいだろう。てか、パンの食べ放題か………惹かれるな。
「あーー……今回は遠慮しとくわ」
「この後仕事あるんすか?」
「仕事はねーけど、『モグラ叩き』の疲れがまだ残ってるんだわ」
「うっわ、そりゃ大変だ。ゆっくりやすんでちょ!開いてる日あったら呼べよー!飯いきてーし!」
「おう」
そう言って林は俺の前から去っていく。
CCGの本局のドアを抜ければ肌に照りつくのは太陽の日差し。
「そろそろ夏服出すべきかねぇ…」
そう言って俺は自分の所有する車のもとへと歩いていく。
20区
他の区と比べて喰種の活動数ざ少ないため20区配属の捜査官の仕事は緩い。
しかし、最近になり『大食い』や『美食家』の行動がさかんとなり本局の捜査官を動員された区である。
ーーチリン
「いらっしゃいませー」
そう俺に声をかけてた少年の右目には眼帯。
「お一人様ですか?お好きな席にどうぞ」
「ああ、エスプレッソ一つお願いするよ」
「かしこまりました」
カウンターの席に座れば眼帯くんはすぐにコーヒーの準備をし始めた
「どうぞ」
コトッと置かれたコーヒーカップ
一口飲めば口にエスプレッソの苦味が広がる
「前来た時と変わったな…」
「え、ち、違いますか?」
「まだ、新人の眼帯くんには店の味が染み付いていないんだろうね。そうだ、芳村さんはいるかい?」
「え、えっと…う、上にいますが」
「通してもらえる?それとも、今忙しい感じかな?」
「い、いえ大丈夫だと思います!トーカちゃん、古賀さんおねがいしてもいいですか?」
「ああ、大丈夫だよ金木くん」
通された部屋には芳村さんと入見さんがいた。そして、小さな少女も…
「どうも、お久しぶりです。芳村さん」
「元気にしていたようで何よりだよ仁哉くん」
「で、この子が…例の。……すみません。俺が少しでも早くこのことについて話していれば…」
「気にやむことは無い。君はいつも私たちのために頑張ってくれている。ありがとう」
「いえ……」
そして、俺は亜門と真戸さんについて、彼に教えられることだけ話した。これでも、彼らに死んでほしくないという気持ちがあるからだ。
「一番問題なのはリョーコさんの赫子がクインケにされることですかね…。クインケを二つももっている相手に挑むのは…。それに彼は望んで出世を拒み上等。普通なら特等にいてもおかしくない人物です」
「そうか…。今日はありがとう、わざわざ来てくれて仁哉くん」
「あの…店長…この人は…?」
振り向けばコーヒーを持ってこちらを伺っているトーカがいた
「ちゃんと会うのは初めてだね。ラビットこと、霧嶋董香ちゃん。CCG本局捜査官九社前仁哉。半喰種だ。」
「はっ…!?CCGの捜査官!?しかも、巣の!?…金木と同じ半喰種って…」
「あー、やっぱり金木くん半喰種だったんだ。いー匂いするしどうなんだろって話ながらずっと考えてたよ」
俺はたちあがり部屋からでていく。
「あ、今日のコーヒーありがとね。おいしかった」
さて、明日からまた、1区での捜査か…
かったりぃなぁ
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