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「おはよう桃宮さん」

「おはよ、青山くん」

楽しみすぎて寝坊したけどなんとか間に合った…!

遠足が楽しみな小学生みたいで恥ずかしい。


会場に入ったらすでに大勢の来場客が並んでいた。
順番を待つ人々の奥で入場ゲートらしきものが頭を覗いている
それはこの展覧会には似つかわしくない、やけに美しいというか、豪華というか…簡単に言えば場違いな装飾が施してある。



「…ん?」



突然、私はあの猫の像に既視感を感じた気がしてマジマジとそれを眺める。

ずっとずっと昔──そう、元の世界で保育園児だったとき……。






あ、


思い出した


ずっと昔に好きだったアニメの1話にでてきたオブジェと一緒だ。

あんなにキラキラして可愛いと思っていたのに実は監視カメラという、物々しい機械だったから今でも印象に残ってる。

そして今のこの状況も、そのアニメのはじまりと似ている気がしてきた。







もしかしてここって、東京ミュウミュウの世界…?









あまりの衝撃になんと言えばいいのかわからない。

でも、だとしたら同級生に桃宮なんて名字は確か私だけで、桃宮いちごなんていない。

しかも曖昧な記憶だが青山くん展覧会に来るのはヒロイン、つまりいちごのはずなのに私が来ているということはもしかして─────もしかしなくても、そういう事なのだろうか。





「………まじか」








(ヒロインになっちゃってました)


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