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▼ 君の覚悟は何色か

※突然始まって突然終わる
※リボーントリオがスカウト受けてボーダーに入る話

 そろそろスカウト組が帰ってくるらしい。訓練を終え、休憩をしにラウンジに向かう途中に聞いたその噂。そういえばもうこんな時期だったと今更ながら思い出した。そっかそうだよな、もう帰ってくる時期だったわ。時間の流れが早すぎてちょっとびっくりする。まぁ激動といいますか、スカウト組がいない間、本当に色々あったからねぇ。大規模侵攻とか、玉狛のこととか。すっかり頭から抜け落ちていた。まあしょうがないといえばしょうがない。

「もうそろそろ、新隊員来るのか...」

 スカウト組は毎回優秀で、ほとんどのスカウト組は現在活躍している。国近ちゃんとか村上君とか生駒隊の皆さんだったり。見る目も確かだけど、そしてそれ以上に彼らはポテンシャルを持っている。入るとすれば、来月あたり。いや、新学期に合わせて4月か?なんて考えながら歩いていたのが悪かった。

「ぐへぇ!」
「え、...あ、ごめん!大丈夫?」

 角を曲がる人に気付かなくて思いっきりぶつかってしまった。相手は尻もちをついて頭を押さえている。茶髪で、重力に逆らったような髪型の男の子。中学生くらいだろうか。見覚えのない子だ。といっても、本部に中学生なんてそこらかしこにいるし、それにここ最近はずっとブースに閉じこもって練習していたから見かけたことがない子もいて当然である。見たところ私服っぽいし、生身なんだろう。私は換装したままで無事だったから、本当に申し訳ないことをしてしまった。

「すいません、前よく見てなくて...」
「こちらこそ、本当にすいません。よく見て歩くべきでした」

 はい、と手を差し伸ばすとその茶髪の子はゆっくりと手を取った。

「ありがとう、ございます」
「いやいや、本当にごめんね?考え事してて...」

 全く、これでは今度荒船に会った時怒られてしまう。怒られるのは、嫌だなぁ。思わず身震いした。あの剣幕は、思い出した今でも怖い。

「頭、痛いよね。医務室行く?」
「いや、全然大丈夫です!慣れてるので!」
「慣れ...?」

 慣れ、てはいないだろう。こんな痛み。だけど、その子は「では失礼します!」と声をあげるなり矢の様な速さでいなくなってしまった。

「ええっと...」

 せめて、名前だけでも聞いておきたかったんだけど。





 だけど、思っていたよりもその機会は早く訪れた。その翌日、その日も訓練をひとしきりした後、ラウンジに向かっている途中、その茶髪の子が歩いてくるのが見えたのだ。でも、その隣には唐沢さん、とまたまた見かけたことがない男の子が2人。黒髪と銀髪の男の子、黒髪の子はともかく、銀髪の子は目立ちそうだから一度は見たことがありそうなのに。

 と、そんな彼らをじっと見ていると、こちらに気が付いたのか、唐沢さんが手を振って近付いてきた。自然と、男の子3人も付いてくる。

「久しぶりだな、名字さん。最近めっきり見なくなって」
「...お久しぶりです、唐沢さん。ここの所、ずっとブースにこもりきりだったので」

 ひとつ言っておくと、私は正直唐沢さんのことが苦手だった。いや、断じて嫌いなのではないのだが、笑っていても目は笑っていないといいますか、何を考えているのかいまいちよく分からないのだ。

 茶髪の子はこちらを見ると、声をあげた。

「あ、この前の...!」
「知り合いかい?」
「えっと、この前ぶつかってしまって...」

...銀髪の子からの視線が更に厳しくなった気がする。さっきから「なんだコイツ」みたいな視線はしてたけど、更に怒気が篭ってる...!怒ってる、怒ってるよ...。

「そうか。2人とも怪我はなかったのかい?」
「私は換装してたんで大丈夫だったんですけど...その、君は本当に大丈夫だった?」
「あ、全然大丈夫ですから!こんなの全然!」

 そう答えてくれる茶髪君には、本当に申し訳ない。ごめんな、茶髪君。でも絶対痛かったと思う。ゴチって音鳴ってたし。

 黒髪の子はニコニコとこちらを眺め、銀髪の子はこちらを睨み、茶髪の子には気を使わせてしまい。なんかもう、早くこの場から逃げ出したい衝動に駆られる。

「じゃあ、私はそろそろ失礼しますね」

 善は急げ、だ。ここにいては私の胃がもたない。早足でラウンジに向かおうとして、待ってと肩を掴まれる。

「えーっと、なにかまだ?」
「名字さん。ここで会ったのも何かの縁だし、彼らにはボーダーについて色々教えてやってくれないか?」
「...え?」
「彼ら、最近スカウトされてきてね。ここ数日、見学に来てるんだよ」

 いや、まだ隊員じゃなかったの?!思わず叫びそうになるけど、ぐっとこらえる。そりゃあ見たことないはずだ。それにしても、まだ入ってもいない子にぶつかってしまうとは、本当に申し訳なさすぎる。

「俺はこの後用事があるから離れないといけなくてね、名字さんが代わりに教えてもらうと助かるな」
「えー、...でも私なんかじゃ役不足ですよ」
「そんなことないんじゃないか。君だって現ボーダーが発足してすぐの入隊でボーダー歴は長いし、何しろ...フリーのA級隊員だ」

_3人からの視線が更に強くなった気がする。うう、とても気まずい。

 だから、唐沢さんは苦手なんだ。

「...分かりました。私が代わりに教えます」
「そうか、ありがとう名字さん!」

 清々しいほどいい笑顔を浮かべる唐沢さんには、溜め息をつくしかない。いや、唐沢さんが断りづらくしたんじゃないですか...。

「でも、どこまで教えればいいんですか?」

 いくらなんでも派閥のこととか、まだ入ってもいないこの3人には言うのは駄目だろうし。

「いや、全て君に一任するよ」
「へっ、」
「君が、話せると思う範囲まで話せば良い」
「え、」

 めっちゃ投げやりじゃないですか...。混乱する私をよそに、唐沢さんは颯爽と立ち去ってしまった...。







主人公設定
名字 名前(デフォルト名:西田 夏希)
18歳組。現在A級フリー隊員。ボーダー発足時からの隊員。元は射手だったが、現在は狙撃手。東さんが師匠。当真と奈良坂には及ばないものの、高い技術力を有し、指揮能力も高いためポスト東さんと呼ばれている。進学校組で荒船と同じクラス。

主人公が元所属していた隊:
狙撃手、万能手、オペレーターの構成。最高順位はA級6位。隊長が戦闘員引退で本部職員になるため隊は解散。オペレーターの子は現在中央でオペをしている。主人公は防衛任務で色々な隊に混じってやっている。狙撃手がいない隊からは割と重宝されている。便利扱い。

きっとリボーンの3人トリオと仲良くなって、もしかすると彼ら3人のチームに入って狙撃手やったりしているかも。

個人的に、綱吉はスコーピオンで山本は弧月、獄寺はシューターが合いそう。

主人公入ったら近中遠全て対応できるし、なかなか強いのでは?A級混じっても遜色なさそう。

裏設定で、唐沢さんがリボーントリオと一緒にいたのは、彼が元々悪い組織でお金集めをしていて裏社会に精通しているから。もしトリガーがあったら絶対世界中から狙わせそう。だってトリオン以外ではトリオン体は傷つかないから生身の戦いは無敵だよねって話。唐沢さんがいくらやり手とはいえ、裏社会から本格的に狙われるようになって手が負えなくなって、利害の一致でボンゴレと手を組むようになったとかなんとか。そこでボンゴレ次期ボスと守護者の綱吉達トリオが送られてくる。物語開始時は大規模侵攻が終わった後で、そろそろ新学年というところ。主人公は高校卒業して大学入学、綱吉達も並中を卒業して春から三門第一に入学が決まっています。ちなみに主人公の元隊長は唐沢さんの部下でマフィアのこととかも知っています。唐沢さんの元で奮闘中。頑張れ。


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