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▼ それは二度目の転機だった

 世界が一変するとはどういうことか、私は身をもって経験している。でもそれとこれとは話が別、まさか人生で二度もそんな目に遭うとは思わないじゃない?

「えーっと、怪しいものではありませんよ...?」

 はははと笑ってみるが、むしろこちらを見る彼らの目は冷たく警戒しているのがバレバレである。そりゃそうだ、いきなり人が降ってきたんだから誰だってそうなる。ツッーと冷や汗が流れた。

「誰だてめえ、ぶっ殺す!」
「いや物騒だな!」

 トゲトゲ頭の彼は、そう叫ぶなり飛び出してきた。咄嗟にジャンプして避ける。今がトリオン体で本当に助かったと思う。格好は別として。ロングコードがバサりと音をたててはためいた。






 ことの始まりは、今日の朝。防衛任務についていた時だった。いつもひとつは開くゲートも今日は珍しく全く開かず、その静けさになんだか妙な違和感を覚えたものの平和が何よりと警戒区域であるにも関わらずゆったり過ごしていた。太刀川さんは面白くないとつまらなさそうな様子だったが、まあいつも通りである。出水先輩と共に唯我をいじり倒したりして過ごしていれば、いつの間にか次の隊に引き継ぎの時間が来ていたらしい。「さぁーって、帰るかー」と太刀川さんの声を聞いて腰を上げて歩こうとした時だった。

 突然、足元にゲートが開いた。

「へっ」

 完全なイレギュラーに声が漏れる。出水先輩がぎょっとしたようにこちらを見て私の名前を叫んだ。でも私だって腐ってもA級一位、太刀川隊の一人なのだ。咄嗟にスパイダーを発射して体を巻き上げようとする。だが、ゲートの吸引力に負けて、ワイヤーは外れてしまった。

「「名字!」」

 吸い込まれる直前、泣いたような表情を浮かべる3人の顔を見た。





「いったた...ここどこだ...?」

 なお現在はトリオン体のため別に痛覚は感じないのだが、咄嗟に発してしまった。だってゲートに吸い込まれたと思ったらいきなり地面に突き落とされたのだから。分かってほしいこの気持ち。

 辺りを見渡してみてこちらに視線が集まっていることに気が付く。何かのアニメや漫画のような格好をした人たち...最近のコスプレ凄いな、あの子とかめっちゃ透明じゃん、カメレオン使ってないのに。近界民、だろうか。それにしては、なんか違和感があるというか。私の直感は、彼らは近界民ではないと訴えている。

 彼らは突然現れた私に呆然とした様子だったが、気を取り直すと一変、表情は引き締まったものになりこちらに警戒を示すようになった。なんというか、よく訓練されてるな、この人たち...いやでもこの人たち、私と同年齢ぐらいか?大人びている子が多いから分からなかったけど見る限りそんな気がする。

「えーっと、怪しいものではありませんよ...?」

 とりあえず何か喋らなければと出てきた言葉はこんなものしか無かった。笑ってみるけど、むしろ彼らの警戒を高めてしまった気がする。

「誰だてめえ、ぶっ殺す!」
「いや物騒だな!」

 そして冒頭に戻るのである。飛び出してきた彼は、手の平をこちらに向けると、なんと爆破してきた。思わずシールドを貼ってしまう。別に今トリオン体だから関係ないはずだけど念の為。てか今、手から爆破したよな。どういうカラクリなんだろ。それよりももし私が一般人じゃなかったらどうしてたんだこいつ。私死んでるぞ。

「防御が個性か?ああ?」
「個性?いや何言ってんの?」

 シールドを展開しながらも彼の攻撃を捌いていく。余裕ではないけど、躱せないほどではない。太刀川さんと10本勝負してなかったら危うかったかも。なんか複雑だな。

「バクゴウ!やめろって!」
「お前らは黙ってろ!」

 バクゴウと呼ばれた彼は、周りからストップをかけられているが一向にやめてくれそうにない。暴君タイプっぽい。でも馬鹿ではないよなぁこいつ。さっきから攻撃が複雑になってきたし躱しづらくなってきた。いくら疲れないとはいっても少々骨が折れる。とはいっても私から攻撃したら彼らの警戒をより高めてしまいそうだ。とりあえずは、何も危害を与える気がないってことを分かってもらいたいんだけども。

 バクゴウがもう一度爆破しようと飛びかかってきて私はまたシールドを貼った。だが、彼の手から再び爆破することはなかった。思わず眉を寄せる。どうしてだろう、今明らかに彼は爆破するはずだったのに。彼も手の平を見つめている。

「おいお前ら、一体何している」
「「相澤先生!」」

 突如聞こえた声の方向を見れば、包帯?を首に巻き、髪の毛を逆立てた男性がこちらを睨みつけていた。







拝啓、ボーダーの皆様
私名字名前、どうやら近界でもない別の世界に飛ばされてしまったみたいです。




なんやかんやあって雄英1-Aに転入した夢主が一緒に授業受けたりわちゃわちゃしながら元の世界に戻る方法を模索するお話。



夢主設定
名字 名前(デフォルト名:小川 桃)
ボーダー本部所属A級一位太刀川隊所属の万能手。六穎館高校1年A組。太刀川隊所属なだけあって、彼女も立派な戦闘馬鹿。ただし節度は弁えている。
遠征経験組。城戸司令派。


TRIGGER SET
MAIN
・スコーピオン
・アステロイド(拳銃)
・シールド
・FREE TRIGGER
SUB
・スコーピオン
・スパイダー(改):拳銃
・シールド
・バックワーム

PARAMETER
トリオン:5
攻撃:10
防御・援護:8
機動:9
技術:9
射程:3
指揮:4
特殊戦術:4
TOTAL:52





続かない

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