▼ 鬼ごっこ包囲網!
_並盛高校には勇者がいる。
それを聞くと、並中生徒の大半はとある1人の女子生徒の姿を思い浮かべる。そして口を揃えてこう言うのだ、「あんなに命知らずのバカは知らない」と。
名字名前。彼女が噂の並盛中学校の「勇者」である。
並盛中学校では、雲雀恭弥率いる風紀委員が絶大な権力を保持していた。ひとたび風紀を乱せば、風紀委員によって"指導"という名のリンチにあい、運良くそれを躱せたとしても、風紀委員長・雲雀恭弥からの"お仕置き"からは逃げられない。雲雀からトンファーで噛み付かれた者は、病院送りになるのが常だった。
そのため、並中において風紀を乱すことは禁忌中の禁忌であり、下手な不良はその身を危険に晒す。良くも悪くも"平凡で並の"生徒が集まったこの学校では、誰もがこの雲雀の恐怖政治を受け入れていた。
...が、それは一部を除いてである。そしてその一部に名字名前は属していた。彼女は所謂"ワル"だった。
髪は金色に染められ、耳にはピアスの穴が開けられている。スカートは膝下どころか膝上15センチ以上あり、靴下も一昔前のギャルが履いていたようなルーズソックスである。おまけに鞄には大量の巨大なぬいぐるみのストラップ。素行も決して良いとは言えず、授業もさぼりがち。
風紀委員の粛清対象No.1として、風紀委員総出で彼女を捕まえようと躍起になっていた。
しかし、風紀委員は一度も彼女を捕まえることが出来ていなかった。むしろ「え、こんなに人数いるのに捕まえられないとかマジヤバいんですけど(笑)。あ、そうだ!一緒に写真撮ろうよ」と煽られる始末。風紀委員はイライラが募っていた。
おまけに、彼女はなぜかよく雲雀の前に姿を出したのだ。
そして今日も、お菓子片手に雲雀の前に現れたかと思うと、ボリボリ食べ歩きながら「ひばりんもいる?」と差し出した。
「...お菓子の持ち込みは、校則違反だけど?」
「でもひばりんだっていつもあそこでケーキとか食べてるし、別にいいじゃん。これぐらい。」
「...僕のことを『ひばりん』呼ばわりした挙句、歯向かうとは...咬み殺すよ」
「おー、ひばりん怖い怖い」
名前はお菓子の箱片手に全速力で走り出した。そして雲雀もその後を追いかける。周りで2人の様子を眺めていた生徒は、「また始まった」と溜め息をついた。
「本当に"勇者"だよな〜、名前先輩」
「...あの雲雀さんを『ひばりん』呼びなんて...ヒィッ、呼ぶだけで怖い...」
「大丈夫です10代目、このオレがあんなやつも返り討ちにしますから!」
「いや、何一つも大丈夫じゃないけど?!」
「咬み殺す!」
珍しく声を荒げた雲雀の声が中庭まで響き渡る。それを、黒のボルサリーノを被った赤ん坊が笑みを浮かべて聞いていることなど、誰も知らなかった。
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以下設定
★名字名前
綱吉達の1つ上の学年。並中の「勇者」。ギャル。見た目も行動も派手。図太い性格。雲雀のことを「ひばりん」と呼ぶ唯一の人物。周りからある意味尊敬されている。
実は名家の娘で雲雀とは幼馴染。だが、家の堅苦しい雰囲気に反発した結果こうなった。雲雀の癖を熟知しているので未だにトンファーの被害にあったことがない(元々の身体能力が高いのもある)。
勉強しないので成績は悪いが地頭は良い。
密かにリボーンに目を付けられているが気付く気配はない。
モットーは【ラブ アンド ピース】
雲雀に言いたいことは「ひばりんは神経質すぎる」あと「インスタで(ひばりんのことを)投稿していい?」
★雲雀恭弥
風紀乱しまくりの夢主を咬み殺したいが未だにトンファーがかすりもしないのでイライラが溜まっている。そしてそのイライラは草壁さんに発散される。お疲れ様です。
幼馴染の名前に色々思うところはあるが、まず言いたいことは「風紀を守れ」「その呼び方をやめろ」「いつか絶対咬み殺す」
ひばりんと呼ばせたかった、それだけです。
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