リセットしよう星も水も


《___研究所から、___が盗み出されたして警察は現在は捜査を続けており__》

「あかりー!電車遅れるわよー!」
「はーい!」

 テレビの電源を切って、近くにおいていたリュックサックを引っつむと、私はそのまま玄関に出た。いけないいけない、今日はいつもより余裕があるとソファでゆっくりしてたらこんな時間になってしまった。結局いつも通りの時間になってしまった、せっかく早く準備できたのにもったいないことしたと少し後悔する。

「今日は部活、あるんだっけ?」
「うん、遅くなるから夕飯の準備よろしくね」
「よろしく頼まれた」

 二カリと笑うお姉ちゃんに、私も笑顔を返す。今日お姉ちゃんが仕事休みで助かった、お父さんも今日は出勤日だから夕飯任せるの悪かったし。

 母が亡くなってから、色んなことが変わった。お父さんは元の会社を辞めて転職したし、私とお姉ちゃんはお母さんがやっていた家事を分担しながらするようになった。お父さんも手伝ってくれるようになって、皮肉なことに、母親がいなくなって、我が山本家は本当の意味でようやく家族になったのだ。





 だから、全て、すべて忘れてしまえばいい。





「いってきまーす!」
「いってらー」

 手を振り返して、玄関から勢いよく飛び出た。広がる晴天に、笑みが漏れる。やっぱり私は、晴れが一番好きだ。
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