これだからイケメンってやつは!



 爆弾を落とすだけ落とすと、先輩は3年の教室に戻っていった。その場には、未だ突っ立ているままの私一人。

...ものすごく教室に戻りたくない。今戻れば絶対目立ってしまう。それに...主要キャラの面々と顔を合わせられる自信がない。バレただけで大袈裟だって?いやいや、何がきっかけになるか分からない世界だ。ただでさえ、私は彼らと同じ班になってしまった。確実に何か起きると私のサイドエフェクトがそう言っている。

 だから、そんな私がとる行動はたったひとつで。私は教室にくるりと踵を返すと、そのまま、図書室に向けて足を進めた。


 図書室に着くと、いつもの場所_奥にある椅子に座り、私は机に突っ伏した。この場所は、図書委員の作業用に準備された場所なのだが、最近ではあまり使われておらず、私の特等席になっている。

 机に突っ伏して、これからのことを考えて気が重くなり。お弁当を食べた直後ということもあってか、だんだんと瞼が重くなり、私はそれに抵抗できないまま、いつの間にか夢の世界に落ちていった。


━━━━━━━━━━━━━━━


「_、影谷!」

 どこか遠くから聞こえてくる声に、目を覚ました。とてもよく寝た。そういえば今日は夢見が悪かったんだよな、修学旅行関連のことで。伸びをしようとしたところで、こちらを見る金髪イケメン男性に、私は体を硬直させた。

「もう授業始まってだいぶ経つけど、大丈夫か?」
「え、ディーノ先生?!ってもう授業始まってる!?」

 ばっと振り向いて図書室の時計を見てみれば、昼休憩はとっくに終わっており、5時間目も既にあと15分ほどで終わるところだった。...これは、本当に、やらかした。私はバカか、朝は遅刻したし、昼休憩は目立つし(これは不可抗力)、そして5時間目はサボり。立派な不良少女の出来上がり、なんちって。

「(やばいやばいやばい、モブにあるまじき失態じゃん...!)」

 心の中は大荒れである。スリーアウト、チェェェェェンジと脳内の球審も大声で叫んでいる。

「大丈夫か?影谷、朝も遅刻してたろ?」
「アッハイ。それは本当にすみませんでした...」
「それはいいけどよ、疲れ溜まってるんじゃないか?」

 心配そうにこちらを見るディーノ先生に、非常に罪悪感を感じる。

「起こしてくれてありがとうございました、ディーノ先生。教室戻ろうと思います」

 とりあえず、この場にいてはまずいと立ち去ろうとしたのに。

「あー、もう授業終わるまで短いし、ちょっと話でもしないか?」

...それは反則っすわディーノさん......
prev | list | next

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -