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「貴様ら、退学だー!!!」

そういえば、今校長室に獄寺と綱吉が呼ばれていたのだった。赤ん坊_リボーンの言葉に年甲斐もなく動揺してしまった。いくらこの赤ん坊がただ者ではないにしろ、大人げなかったのは事実だ。あとで何か買って詫びよう。この赤ん坊なら、お菓子ではなくコーヒー、それもエスプレッソを頼んできそうだと思った瑞穂だが、あながち間違いではない。しかし、リボーンは女子には優しいため、今晴れて容疑が晴れた瑞穂に奢らせるようなことはしないのだが。

それより、今は綱吉と獄寺が退学の危機らしい。

「大丈夫かなぁ、二人とも」

「よく聞いてみるぞ」

「え、ちょっ、リボーン君?」

駄目だって、と言う瑞穂も余所にリボーンは校長室のドアに近付いた。仕方なく、瑞穂もドアに近付いて中の話を盗み聞く。聞こえてきた話はこうだった。

15年前グラウンド埋めたままのタイムカプセルを綱吉と獄寺に発掘させること。今日中に発掘出来れば退学は白紙、だが出来なければ退学。

「(いや、ムチャ言うな、根津先生)」

あの広いグラウンドの中から、小さなタイムカプセルを見つけるというのはかなり難しい話だ。しかも期限は今日中。グラウンドを真っ二つにでもしない限り、出てこないだろう。

「本当に大丈夫なの、沢田君に獄寺君。君、沢田君の家庭教師なんでしょ?」

「大丈夫だぞ、ツナは次期ボンゴレボスになる男だからな」

「いや、それ理由になってないから」

でも、確かにあの姿なら。昨日初めて見た、沢田綱吉のあの姿。流れるような動きで爆弾を消化した彼なら、できそうな気もしなくもない。

「それより、おめーもそろそろ教室に戻った方がいいぞ。昼休憩が終わる」

「え、嘘!」

確かに腕時計を見てみれば、昼休憩が終わるまであと5分だった。今から走れば、まだ授業開始に間に合う。

「ありがとう、リボーン君!」

教えてくれたリボーンにお礼を言うと、瑞穂はパタパタと音をたてて廊下を走り出した。色々と心配なこともあるが、彼ら2人なら何とかすると信じるしかない。



_そう言えば、確かに私は「前」ボンゴレファミリーの紋章を見たことがあったけど、どうしてなんだろう。家はれっきとした定食屋だったから、マフィアなんて関わりがなかったはずだし、沢田君のあの炎についてもまだ聞いてない。

また後であったらリボーンに聞いてみようと心に決める。とりあえず今は、授業に間に合うことだけを考えて、走るとしよう。



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