4−3


「3倍ボム!」

その声で、やっと瑞穂は我に帰った。体の至るところから爆弾を取り出した獄寺。だがその量の多さから手から次々とこぼれ落ちていく。

「(あれが落ちたら、アイツも死ぬ!)」

至近距離から、あの量の爆弾をまともにくらえば命はない。咄嗟に駆け出そうとした瑞穂だったが、先に辿り着いた綱吉が獄寺の落とした爆弾を次々と消化していき、事なきを得たのだった。

我に帰った様子の綱吉と、その綱吉に土下座し始めた獄寺を見て、瑞穂は胸を撫で下ろした。一応、一件落着というやつだろうか。今の獄寺の様子を見てみると、本当に綱吉に感謝しているようだった。どうして綱吉に爆弾を投げていたのか気になるところであるが、今出来始めた友情に、部外者が口を突っ込むのも野暮というもの。獄寺には色々と言いたいことがあるが、今言う場面ではない。今は、部外者が割り込むべきではないだろう。

喧嘩から芽生える友情もあると言うし、きっと二人なら大丈夫。二人に気付かれぬよう、瑞穂は静かに中庭を去った。


そう言えば、何か忘れていることがあるような。まあいっか。


_軽い足取りで校舎内に戻っていく。そんな彼女の姿を見ていた、一人の赤ん坊の姿があったことも知らず。





「...ふ、」

赤ん坊_リボーンは口元に笑みを浮かべた。今日は、思いのほか収穫が多かった。

「どうしたんだよ、リボーン」

「なんでもねぇ」

なんだよー、と情けない声を漏らす教え子を蹴りあげ「さっさと着替えろ」と命令する。やっと今の自分の格好に気が付いた彼は、途端に顔を赤くすると服を探し始めた。

「10代目!服をお貸しします!」

「いやいや、いいって獄寺君!というか、10代目って何ー!?」

先程とは考えられない会話をする2人。その楽しそうな後ろ姿を見て、リボーンも家に帰ろうと歩きはじめたのだった。


_和田原瑞穂。運動面も勉強面も申し分なし。忠誠心も申し分なし。人望も厚く、ファミリーの一員にピッタリである。

だが、いくつか気になる点もある。

和田原修治。未だその本性は謎に包まれているボンゴレにとって不穏分子である存在。彼女は、その不穏分子の娘だという。

そして、何より彼女は死ぬ気の炎を見たことがあるようだった。その証拠に、彼女はあの日、学校を休んで見ていないはずなのに、綱吉の額の炎を見て目を細めていた。


まるで懐かしいと言わんばかりに。




あの日入れた紙が吉となるか凶となるか。

「様子見だな」



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