プロローグ
「みのりっ!!!」
扉を開けるなりいきなり飛び付いてきた桜井さん。
本名、桜井 澪さん。
『っと…澪は今日元気だね!!』
私は澪をしっかり受け止めて言う。
毎度毎度抱き付かれるから耐性ができてしまった。
それでも、嫌にならないのは私自身澪を信頼している所があるからだろう
「みのりに会えたんやもん!!」
などと言いながら頬を擦り付けてくる澪こと桜井さんに、可愛いなと思いながら微笑み、彼女の頭を撫でた。
彼女は大阪生まれの大阪育ちらしく、バリバリの関西弁。
最初は会話に苦労したのを覚えている。
『よしよし…えっと、取りあえず脈図ろうか?』
「うーい」
私がそう言うと、澪は私から離れベットへ。
そういえば…澪は関西弁なのといい陰陽師なのといい、ぬら孫のゆらちゃんに極似してんだよね…。
私はふとそう考えながら澪の脈を図る。
そんな私に、澪が唐突に問うた。
「―なぁ、みのり、叶えたい夢はある?」
今思えば、
これが全ての始まりだったんだ…―
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