おめかし(トゥイシル)
2017/08/15 16:47


その日、トゥイーティーはいつもより可愛くなっていた。

「どうしたんだお前?」
「あのね、ご主人がアクセサリ作ってくれたのぉ♪」

なんでも、ご主人今オシャレに目覚めてるんだと。言われてみると、ビーズを買ってきてちまちまなにかやっていたり、ころころ髪型を変えて髪飾りで遊んだりしている。

「餓鬼なのに色気づいてまぁ」
「いろけ?いろけは猫たんにもあるよ?」
「あ?!う、うるせぇよ!///」

トゥイーティーは紅くなる俺をみてくすりと笑い、可愛いなぁ、と言った。

「ねぇ。猫たんも着けよ、アクセサリー」

ご主人から貰った余りだろうか。みると七色のビーズがキラキラ光るアクセサリーを俺に着けようとしていた。

「それを俺に?」

正直、俺には絶対に似合わないと思ったし、嗜好にも合わない。全力で遠慮したかった。

「着けたら食うからな」
「…う、ぐす…」

怒鳴ってもないのにトゥイーティーはぐずぐず泣き出した。やばい、またご主人に怒られて飯抜きになる。
俺は慌てて前言を撤回した。

「わーった!わーったって!…一回だけだからな?!」
「ほんと!?わーい!ねこたん大好きー!v」

トゥイーティーは満面の笑顔でぎゅっと抱きついてきた。
ああくそ、ムカつくのに恥ずかしいのに…可愛い。
…クソォ!



…で。
俺は結局一回どころか、その日ずーーーっとお洒落ゴッコに付き合わされてしまった。
まぁ、分かってた。分かってたよ。

キラキラ、ピカピカ
んなん、ぜってー似合ってねーのにトゥイーティーのやつ、似合う似合うって大喜びしやがんの。目ん玉どうなってんだ?

しかも途中、ご主人にその場面をバッチリ目撃されて。
「カワイイ」って言われて。
トゥイーティーに

「僕の世界一可愛い猫たんなの♪」

…なーんて言われて。

ご主人に
「しっぽは大喜びだね!」
って、モロバレするし。

…モロバレな。


恥ずかしさで死ねそうなことってあるんだなと、その日初めて思った。




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