肋角×佐疫
2015/06/28 23:22
「お疲れさまです。」
執務室から出てきた私に、佐疫は笑顔で労いの言葉をかけた。
「…ずっと待ってたのか。」
「はい。」
「……すまないな。」
「え?どうして謝るんですか?」
いくら恋仲とはいえ、私は彼を拘束したくなかった。
非番の時くらい斬島達のように自由な時間を過ごしても良い。寧ろ、そうしてもらいたい。
そう言っているのに、佐疫は毎日私の部屋の前で待っている。
「無理をさせているだろうに。」
またそんな顔をする。私の顔を見上げた佐疫はそう言いながら笑った。
「心配しないでください。ちゃんと自由に過ごしてます。」
「……だから、待ってるんですよ。」
少し顔を赤くしながら、そう呟いた。
……本当に、こいつは…。
「…。そうか。」
思わず、顔が綻びそうになる。
「……でも、今日はちょっと待ちくたびれました。」
「それじゃあ、私からも労ってやろう。」
私は佐疫の頬に、軽く口づけした。
prev | next