表裏(ﾌﾘﾎﾟﾌﾟ) 〔殺・性・血〕
2014/05/15 19:03
キリ番を踏まれた菊名さまより頂きましたリクエスト、フリポプです。
菊名さま、リクエストありがとうございました！
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初めて会った日。
“表”の彼は、こんにちはと微笑んだ。
子供のような笑顔。
だが、身なりをみるとどうも大人の様だった。
軍服じみた服は、やけに汚れている。やけにリアルな服だな、と思った。
どうしてそんな服を着ているのだろう？
笑顔はとても、朗らかなのに。
そう、当時の私は思った。
「足りねぇな」
“裏”の彼は、私を犯しながら言った。
私の自由を奪い、ナイフで切り刻みながら犯してなお、何が足りないというのか。
「アンタ、腸ズリって知ってるか？あれ、すげぇイイんだぜ？」
彼は笑った。しかし“裏”のそれはまるで悪魔のような、冷たく悍ましいものだった。
「“表”の君は…どこへ行ったんだ…」
私は問い掛ける。“表”の君は、あんなに素敵な笑顔なのに…と。
すると、“裏”の彼は一層にやりと笑い言った。
「裏と表なんて、誰が決めたよ？」
私の口にナイフを突っ込む。
「勝手に言ってるだけだろ？」
「俺からしたら、アレの方が“裏”なんだ」
私の血飛沫が彼の服に飛び散り、彼の服に新しい染みを作った。
（君が表…ああ、そうか…）
死の間際。
私は彼の言葉の意味を、理解した気がした。
fin
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